おとてく

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作曲家/レコーディングエンジニア。フリーランスでギリギリ生きていけてる33歳が書くメディア。

抽象的な指示でもいいんです!?クリエイターに仕事を依頼するときのお話

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作曲家、だけでなくて、イラストレーターやWebデザイナーといったクリエイターにお仕事を頼む場合、

「抽象的な表現は避けよう」「具体的なイメージで指示を出そう」というのはよく言われることです。

 

しかし、この「具体的なイメージ」を伝えようとして、

無理に専門用語を使ったがために、かえって誤解が生じるという場面を何度か経験してきました。

 

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誤解が生じた例

ある作曲仕事での一例。

叩き台が完成したので聴いてもらったところ、

「大体のニュアンスはOKなんだけど、テンポ上げてみて!」

とのコメント。

で、BPMを5ほど上げて聴いてもらったところ、

「えっと、曲のスピードは変えてほしくないんだけど…」

 「???」

 

後々分かったのですが、このクライアントさんは、「テンポ」とは「リズム」を指す言葉として間違ってイメージしていらしたようで、この件の場合は、

「ドラムやパーカッションをもっと賑やかにしてほしい」的な内容を言いたかったそうです。

 

作曲家からすると「テンポを上げて」と言われれば正直にテンポ(=曲の速さ)を上げてしまいます。

この場合は、

「この、ずっと鳴ってるドコドコ言ってるヤツあるじゃん?これをもっとガツンとさせてよ!」

とでも言ってくれてた方が、抽象的だけど、はるかに意図は伝わったわけです。 

 

ほんとに正しい?その用語の意味

世間一般で、よく間違って使われているなと感じる音楽用語を書き連ねてみました。

 

アレンジ

正しい意味は「編曲」。作曲されたメロディに対して、その他のパートを肉付けしていくこと。

よく使われる「脚色する」「一手間くわえて別物に変化させる」とはニュアンスが異なるので注意。

 

クラシック

厳密に言うと「古典音楽」という意味。 

もう少し広義だと、(現代のポップスに対しての)西洋の芸術音楽の様式を持った曲、といったところ。

どちらにせよ、オーケストラで演奏される曲に限定される訳ではないので勘違いしないようにしたいです。

 

ハネ

いわゆる「シャッフルビート」のこと。連続した音符を、同じ長さ(イーブン)ではなく「2:1」の長さで演奏するリズム(この表現もちょっと乱暴だけど)。

「なんかノリがいい」みたいな感覚的な言葉ではないです。

 

Cメロ

 「サビ」のことです。

「Dメロ」の意味合いで使っている人をちょくちょく見かけます。なんだったらその意味で解説してるサイトも多く見かけますが、業界内でその意味で使っている人を見たことがありません

 

 

こういう依頼の仕方だと助かる

リファレンスを提示する

リファレンスとなる楽曲を提示されると助かります。その上で、その曲のどんな部分が良いのかを更に細かく伝えてもらうと尚良しです。

「何分何秒の雰囲気が何となく好き」とかでも全然OKです。

 

キーワードを設定する

テーマとなるワードを出してもらえるとイメージが掴みやすいですね。

例えば、「夜」「おだやか」「大人(でも都会的なのはNG)」「切ない(暗くはならないように)」といった感じですね。

 

用途/使用意図を伝える

意外とこれが抜けてたりするんですね。

「オープニングで使う曲」とだけ聞いてて、それっぽい感じの曲を書いたら、

後になって、「いや、オープニングイベントで5曲流すうちの5曲目」と判明したことがありました。

むしろエンディングっぽい曲が求められてたんですね。

 

イメージはイメージのままで!とことん抽象的に

「もわっとした感じ」とか「なんか未来的な」とか、そんなんでいいんです。

もちろん注文がそれだけだと困りますが、

プラスしてイメージに近いリファレンスを提示してもらえれば十分です。

 

もちろん、具体的に指示できる内容は具体的に

専門用語をいっさい知らない、ということはない筈ですので、

具体的に指示できるならそれに越したことはありません。

 

ただし、その用語の解釈を間違っていた場合、

クリエイター側には全く違った意味で伝わりますので、

依頼する前に、言葉の意味が本当に正しいかチェックしてもらえると助かりますね。

 

おわりに

専門用語を使って具体的に伝えてようとしてくれる人って、基本的に真面目な方だと思うんですよね。

せっかく真面目に伝えてくれたのに言葉の行き違いが起きる、ということは避けたいとの思いで、この記事を書きました。

 

我々クリエイターも、全力で依頼主側の意図を汲み取って、より良い作品を作っていきたいものです。

 

 

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