おとてく

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作曲家/レコーディングエンジニア。フリーランスでギリギリ生きていけてる33歳が書くメディア。

パラデータ書き出しってどうやるの?その作成方法とは

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前回、パラデータ書き出しについての裏ワザを記事にしました。

そこで今回は、基本に立ち帰って、

そもそもパラデータ書き出しって何?

どんなことに気をつければいいの?という話をしていきます。

パラデータとは?なぜ必要?

パラデータとは

パラデータとは、楽曲をチャンネル(トラック)ごとにバラバラに書き出したオーディオデータのことを言います。

 

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打ち込んだインストゥルメント、録音したギター、果ては効果音まで、

曲によっては100トラック近くになることもありますが、それらを全てバラバラに書き出します。

 

この逆で、全トラックを混ぜて書き出したものは2mix(ツーミックス)と呼ばれます。

LとRの2チャンネルだけのデータになっていることから、そう呼ばれています。

 

なぜパラデータが必要なの?

おもにミックスの際に必要になります。

 

もし2mixのデータしか無かったら、

ある特定のトラックだけを大きくしたり、PANを振ったり、リバーブをかけたり、

ということが出来なくなってしまいます。

 

また、ミックスの現場では、完成直前になって

「尺(曲の長さ)を短くして!」みたいなことも多々あります。

例えば、間奏を半分にしようとしても、

これも2mixだと編集の自由度が落ちてしまいます。

「ドラムは1拍目で繋ぐけど、ギターは2拍目で繋ぐ」みたいなことが出来なくなりますからね。

 

ほかにも、作業の途中で別のDAWに移行する際にも必要になります。

自宅のCubaseやLogicで作った曲に、スタジオのPro Toolsで歌を録音する、というパターンですね。

 

書き出しの前に 

まずは別名保存

書き出しの前に、必ずプロジェクトを別名保存しましょう。

後述する理由から、パラデータの書き出しの際には、エフェクトをオフにするなど、少し変更を加えなければいけない部分が出てきます。

いつでも前の状態にも戻れるようにしておくことが大切です。

 

トラックを整理しよう

必要の無いトラックは、間違えて書き出してしまわないように、

削除するか、非表示状態にするかしておきましょう。

 

また、同じ系統の音(効果音系、シンセ系)は、並び替えて固めておきましょう。

 

ドラムはパートごとに分ける

バスドラム、スネアドラム、ハイハット…という具合に、ドラムは分けられる限り細かく分けてください

ドラムだけで10前後のトラックが出来ることになります。

 

楽曲の土台を支えるパートですので、ミックスのときに最もシビアに音作りをすることが多くなります。

必ず分けてください。

 

プレーンな音を書き出そう

フェーダー位置は定格

ミックスではイチから音量の調整をしていくことになりますので、

フェーダーは定格(ゼロ)にしておいてください。

フェーダーはゼロの位置にあるときが最も良い音だということも覚えておきましょう(ただし32bit浮動小数点の場合は気にしなくても良いですが)。

 

リバーブやディレイはオフ

リバーブやディレイといった空間系エフェクトは、文字通り、空間のシミュレートをしています。

ものすごく乱暴に言うと、音を遠くするエフェクトです

近い音を遠くにするのは割と簡単なのですが、遠い音を近くにするのは至難の業です。

よって、オフにします

 

ただし、ディレイがフレーズの一部になっている場合(ギターでよくありますね)は残しておきましょう。

 

空間系エフェクトは、おそらくAUXトラックにまとめてかけていると思いますので、

それらのトラックをミュートしておきます。

 

AUXトラックにまとめてかける方法については、こちらの記事が参考になります。

  

シンセのプリセットに注意

DAW上ではエフェクトをかけていなくても、シンセのプリセットで元からリバーブやディレイがかかっている、ということがあります

これもオフにしておいてほしいのですが、

例外として、それも含めての音作りだ!という場合はオンのままでもいいでしょう。

迷った場合は2パターン書き出しておくのも手です。

 

コンプやEQもオフ

コンプやEQなど、トラックに直接インサートするエフェクトも、基本的には・・・・・外してください。

ただし、原形をとどめないくらい過激に使っているダイナミクス系エフェクトは、もはや音作りの一種ですので、これは残しておきましょう。

 

いざ、パラデータ作成!

書き出す範囲に注意

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こんな風に、普通は各トラックの開始位置はまちまちです。

ですが、必ず全てのトラックを先頭から書き出してください

たとえ、曲のラスト1音だけで登場するシンセでも例外ではありません。 

そうしないと、読み込んだ側で時間軸がずれてしまいます。

「無音が5分以上続いた後に、一瞬だけ音が鳴る」みたいなファイルも出来上がるかと思いますが、それでOKです。

 

曲の途中でテンポチェンジ、拍子変更がある場合は、

こちらの記事も参考にしてみてください。

 

フォーマットを先方に確認

ファイル形式はwavなのか、aiffなのか、

サンプルレートはいくつか、ビットデプスはいくつか、

ほとんどの場合は指定があると思いますので、それに従ってください。

 

ファイル形式はwavが定番です。

サンプルレートは48kHzか96kHz、ビットデプスは24bit、もしくは32bit浮動小数点が大半です。

間違っても、mp3等の圧縮音源で作成しないようにしてください!

  

名前付けに一手間。人にやさしいトラック名。

ドラムは「Dr_○○」という名前で!

パラデータを受け取った人が最初にやるのが、トラックの並び替えです。

多くのDAWでは、データをインポート(読み込み)したときに自動でABC順にトラックが並びます

そのため、

Ba(ベース)

BD(バスドラム)

FT(フロアタム)

Gt(ギター)

HH(ハイハット)

HT(ハイタム)

Key(キーボード)

LT(ロータム)

といった具合に、

ドラムのトラックが他のパートに紛れてあちこちに散らばってしまうのです。

 

これを並び替えるのが意外と大変。

そこで、ドラム系のトラック名は頭を「Dr_」と統一します

そうすると、

Ba(ベース)

Dr_BD(バスドラム)

Dr_FT(フロアタム)

Dr_HH(ハイハット)

Dr_HT(ハイタム)

Dr_LT(ロータム)

Dr_SN(スネアドラム)

Dr_Top(トップ)

Gt(ギター)

Key(キーボード)

と、少なくともドラム系はまとまってくれるのです。

 

効果音系は擬音で!

効果音の名前は、「SE1」「SE2」とかでもいいんですが、

「SE_Pon」「SE_Kira」のように、聞こえたまんまの擬音で名付けてやると、

受け取り側としてはイメージが湧きやすくて助かります。

 

ちょっとしたことですが、僕もミックスするときに、

並び替えが楽で、音がイメージしやすいトラック名だと嬉しいです。

制作者のやさしさも伝わってきますね!笑

 

最後に念のため確認!

新規プロジェクトに読み込もう

空の新規プロジェクトを作って、出来上がったパラデータを読み込みましょう。

ノイズが乗っていないか、漏れているトラックが無いか、確認してください

欠品があると、再度書き出し直さないといけないばかりか、

相手にも手間を取らせてしまいますし、最悪の場合、信用問題にもなってきます。

 

問題がないことを確認できたら、パラデータの完成です!納品しましょう!

お疲れ様でした!

 

 

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