おとてく

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作曲家/レコーディングエンジニアが書く、DTM、作曲、レコーディングメディア。

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【Cubase】新規プロジェクトの作成方法とオーディオファイルの取り扱い

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今回は、Cubaseでの新規プロジェクトの作り方と、オーディオファイルの取り扱いについてご紹介します。

 

自分のPCで作成したプロジェクトを他で開くとオーディオが所在不明になる!なんてことにならないように、ここは正しくやっておきましょう。

もちろん、そういった場合の解決法もご紹介しますので、ぜひ知っておいてくださいね!

 

新規プロジェクトの作成方法 

Cubaseを起動した時点で下のウィンドウが表示されます。

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表示されない場合、あるいは閉じてしまった場合は、

Mac : ⌘ + N

Win : Ctrl + N

のショートカットで表示されます。

 

このウィンドウで、「その他」タブのEmptyをダブルクリックするか、空白のプロジェクトを作成をクリックすれば、Cubaseプロジェクトを新規作成することができます。

 

保存場所

既定の場所を使用

→こちらにチェックが入った状態だと、空白のプロジェクトを作成をクリックした段階で、

自動的に現在選ばれている場所(上の写真だとF:\Other内の「Song」というプロジェクトフォルダ)に保存されます。

必ずプロジェクトフォルダの名前を設定してください。日付や曲のタイトルなどにしておくといいでしょう。

今回は「Song」という名前を付けておきます。

 

プロジェクトの場所を表示

→こちらにチェックが入った状態だと、空白のプロジェクトを作成をクリックした後で保存場所を選択することになります。

保存場所選択の際、必ず新規フォルダを作成してください。(理由は後述)

 

オーディオのフォーマット

Cubaseでは、オーディオのフォーマットはプロジェクトを開いた状態で設定できます。

まず、Shift + S のショートカットでプロジェクト設定を開きます。

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このようなウィンドウが開きます。

 

サンプリングレート

→音を時間軸でどれだけ細かく区切る(サンプリング)のかを決める数値です。

簡単にいうと数字が大きいほど高音質だと思ってください。

通常は48.000kHz以上に設定します。

 

ただし、サンプリングレートが高いほど容量も大きくなります。

一般の音楽CDのサンプルレートは44.100kHzですので、44.100kHzが低音質というわけではありません。

 

ビット解像度

→音の大小の幅をどれだけ細かく表現できるか、だと思ってください。

32Bit Floatを推奨します。

その理由はそのうち別記事で書きます。

 

録音ファイル形式

→Waveファイルを選びます。

「Macの場合はAIFFを選ぶ」としている記事をたまに見かけますが、現在の音楽制作のファイルタイプは、ほぼWavで統一されています。

 

パンニングのレベル補正 

→いわゆるパンロー(PAN LAW)というやつです。

ステレオ再生では、左右で同じ音量が出力されると、センター定位の音が大きくなってしまいます。

それを自然に聞かせるために、センターの音量をどれくらい下げるか?という設定です。

大体のミキサーでは−3dB(一部−4.5dBもありますが)となっていますので、−3dBが一般的です。

 

ちなみにPro Toolsでは-2.5dBとなっています。

 

プロジェクトフォルダ

Cubaseで新規プロジェクトを作る場合には、プロジェクトフォルダを用意するのが鉄則です。

 

とくに、プロジェクトの場所を表示にチェックが入った状態で新規プロジェクトを作成した場合には自動ではプロジェクトフォルダが作られませんので、注意が必要です。

 

この場合、複数のプロジェクトのオーディオファイルの保存場所がひとつに集約されてしまいます。

Aという曲もBという曲もCという曲も、ぜーんぶ同じフォルダの中にオーディオファイルが入ってしまうということです。

 

プロジェクトフォルダの中身は以下のようになっています。

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〇〇.cpr

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これがプロジェクトです。

打ち込んだMIDIデータやインサートしたエフェクト、フェーダーやパンの位置etcの情報はここに記録されています。

ただし、オーディオファイルはこの中には入っていません

 

Audio

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プロジェクトで扱うオーディオファイルが入っているのはここです。

他人にプロジェクトを渡す際や、別のPCにデータを移す際には、プロジェクトだけではなく、このAudioフォルダを含めたプロジェクトフォルダ全体が必要になります。

 

〇〇.bak

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バックアップファイルです。環境設定で自動保存を有効化しておけば、プロジェクトのバックアップが自動的に作られます。

個数は直近の1〜1000、バックアップ間隔は30秒〜60分の間で設定できます。

 

Images

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プロジェクトを開いた際に表示を高速化するために、波形の描画イメージをキャッシュしているフォルダです。

削除してしまったとしても、再度自動的に作られます。

 

Track Pictures

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トラック画像にユーザーコンテンツを使用した場合、その画像データが保存されるフォルダです。

 

オーディオをインポートする際の注意点 

「ファイル」メニュー から「読み込み」「オーディオファイル...」でオーディオをインポートすることができます。

インポートしたいファイルを選択すると、下のウィンドウが表示されます。

f:id:oto_tech:20181024190955p:plain

この際、必ず「プロジェクトフォルダーにファイルをコピー」のチェックを入れるようにしてください。

チェックを入れないと、Audioフォルダの中にファイルがコピーされません。

そのためプロジェクトが別の場所にデータを参照しにいく形になります。下の図のようなイメージです。

f:id:oto_tech:20181024191943p:plain

この場合、Audioフォルダの中にファイルが無い訳ですから、

別のPCでプロジェクトを開いた際にオーディオファイルが所在不明になる(見つからない)という現象がおきてしまいます。

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もちろん音は出ません。

ですので、よっぽどストレージの容量が逼迫してるとかでない限りは「プロジェクトフォルダーにファイルをコピー」のチェックを入れましょう。

 

【解決策】プロジェクトのバックアップ

「プロジェクトフォルダーにファイルをコピー」にチェックを入れずオーディオインポートしてしまった、

もしくは、複数のプロジェクトのオーディオファイルがひとつのAudioフォルダに集約されてしまっている、

という場合の解決策をご紹介します。

 

「プロジェクトのバックアップ」という機能を使って必要なオーディオファイルを一箇所にまとめることが可能です。

該当のプロジェクトを開いた状態で「ファイル」メニュー から「プロジェクトのバックアップ...」を選ぶと「プロジェクトフォルダーを設定」というウィンドウが表示されます。

ここでは、既存のフォルダを選ばずに、必ず新規フォルダを作ってください。(というか、空っぽのフォルダしか選べないようになっています)

 

「OK」をクリックすると、下のウィンドウが表示されます。

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現在のプロジェクトをアクティブに保持

→チェックが入っていると、現在開かれているプロジェクトが開いたまま(アクティブ)になります。

チェックが外れていると、バックアップされた新しいプロジェクトを開き直します。

 

オーディオファイルの最小化

→チェックが入っていると、プロジェクトでアクティブになっている部分のみが残り、他は削除されます。

ノイズ部分などをトリミングした場合、トリムされて隠れた部分が削除されるというわけです。

容量の削減には繋がりますが、普通はチェックを入れないことをオススメします。

 

ダイレクトオフラインプロセシング結果を固定

→チェックを入れると、オフラインエフェクトの適用を永久的に固定します。

これ以上の変更が無いという場合には固定してもいいですが、こちらも普通はチェックを入れないことをオススメします。

 

未使用のファイルを削除

→チェックを入れると、メディアプールには残っているものの実際には使用していないオーディオはバックアップされません。

 

 

OKをクリックすると、必要なオーディオファイルが一箇所に集約されたプロジェクトフォルダが作られます。

 

 

 

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