Cubaseで制作した曲をスタジオのPro Toolsで録音する、など、
作業の途中で別のDAWに移行する場面がいくつかあります。
曲の途中でテンポチェンジや拍子変更がある場合、この別DAWへの移行が少々問題となります。
テンポチェンジがあると何が問題?
オーディオデータ自体にはテンポ情報は含まれない
別DAWへの移行の際にはパラデータを書き出すことになりますが、オーディオデータはあくまでオーディオ(音)データ。テンポや拍子の情報は含まれません。
移行後のDAWでは手作業でテンポを入力していくことになります。
テンポチェンジが1〜2回程度なら、
「最初はBPM100で、40小節目から110になります〜。」とか伝えるだけでいいですが、
これが何箇所もあると、ちょっとめんどくさいです。
「最初が100で、20小節目から90で、24小節目で3/4拍子になって、100に戻って、30小節目から…」
なんて言われたら、いちいち入力するのは面倒で仕方ないですよね。
テンポが合わないと色々不便
しかし、テンポが合わないとクリック(メトロノーム)も使えませんし、
DAWに表示される小節数と実際の小節が合わない、という困ったことになります。
テンポチェンジ情報をMIDIデータ化してしまおう
そこで、テンポや拍子の情報をMIDIデータ化するという裏ワザがあります。
「裏ワザ」なんてカッコつけて言いましたが、
そもそもMIDIデータの中にはテンポ/拍子情報が含まれているので、ただMIDIを書き出すだけでOKです。
ただし、いくつか注意点があります。
CubaseからPro Toolsへ移行する場合を例にとって見ていきます。
①MIDIを書き出す際には、空のMIDIトラック1つのみを書き出す。
新しく空のMIDIトラックを作り、そのトラックをソロにします。
そして、「ファイル」メニューから「書き出し」→「MIDI」ファイルを選択。
こうしないと、必要の無いドラムやベースなどのMIDIデータまで書き出されてしまいます。
②読み込み側でテンポマップをインポートする
Pro Tools側でMIDIを読み込みます。
「ファイル」メニューから「インポート」→「MIDI...」を選択。
Option + Command + i のショートカットも使えます。
このとき、
「MIDIファイルからテンポマップをインポート」にチェックを入れる必要があります。
すると、
ご覧のように、一瞬で大量のテンポチェンジ情報を読み込むことができました。
おわりに
いかがだったでしょうか?
MIDIの書き出し方法、読み込み方法はDAWによってそれぞれ異なりますが、
空のMIDIトラックを書き出して、移行先のDAWで読み込むという点は変わりません。
SMF(スタンダードMIDIファイル)にはテンポ/拍子情報が格納されるため、
全てのDAWで使えるワザです。
今までご存知でなかった方は、ぜひ使ってみてください!
この記事を書いた人のTwitterはこちら。