拍子についてのよくある疑問。
それが、
「4分の3拍子と8分の6拍子って何が違うの?同じじゃないの?」
というもの!
確かに、算数的に言えば6/8を約分すれば3/4ですね。
だから、「なんで違うの?」という疑問はごもっとも。
しかし!そもそも音楽の拍子は分数ではないのです!
ここに惑わされないようにしてください!
何がどう違うのか、実際に聴いてみるのが手っ取り早いと思いますので、いくつか例を挙げてみます。
4分の3拍子は「ずんちっちー」
4分の3拍子は「ずんちっちー」がひと固まりになっています。
「ひと固まり」と言うのは「1小節」のことです。
「いちにーさん」を「ずんちっちー」と数えることが出来るのが4分の3拍子。
「ずん」で1拍「ちっ」で1拍「ちー」で1拍です。
そのひと固まり(=1小節)が終わったら、また「いち」から数えて、それを繰り返します。
実例をいくつか挙げていきますので、
「ずんちっちー」と歌いながら聴いてみてください。
【実例1】『ぞうさん』
【実例2】『ふるさと』
「ずんちっちー」と歌えましたね。
こんな感じの曲が4分の3拍子です。
8分の6拍子は「2拍子系」のリズム
8分の6拍子を説明する上で声を大にして言いたいのは
8分の6拍子は2拍子系のリズムだということです。
どういうことか解説していきます。
こんな感じで、1小節を「いーちにーー」に割って数えることが出来るのが8分の6拍子なんです。
「ずんちっちー」という3つの音符を1拍としてとらえ、
それが2つまとまってひとかたまり(=1小節)になっています。
4分の3拍子とは全然違うリズムで、
むしろ4分の2拍子の仲間なのです。
実例を挙げてみましょう。
【実例1】Mr.Children『NOT FOUND』
という具合に、「いーちにーー」と数えられます。
【実例2】『モルダウ』
出だしで言うと
という具合に、同じく「いーちにーー」と数えられますね。
他にも、河村隆一の『love is...』や、ゆずの『嗚呼、青春の日々』など、
ポップスにも結構8分の6拍子の曲はあります。
どうですか?
ん?イマイチ納得できない?
では、試しに『NOT FOUND』や『モルダウ』をこんな風に数えてみてください。
『NOT FOUND』や『モルダウ』が4分の3拍子だとしたらこんな感じの数え方になります。
表の①②③に合わせて「ずんちっちー」と歌ってみてください。
すごく不自然ですね。
というか、そもそも歌えなかったという人もいるのではないでしょうか?
やはり『NOT FOUND』は
だし、
『モルダウ』は
だということが分かります。
8分の6拍子は、楽譜に書く際に4分の2拍子として書くことも可能
8分の6拍子は2拍子系のリズムと言いました。
なので、譜面にするときに4分の2拍子として書くことも出来るのです。
↑このような8分の6拍子の譜面ですが、
↑このようにも書けます。
8分音符3つを3連符に置き換えることで、4分音符として解釈してるんですね。
ということは、8分の6拍子は「3連符を1拍とした2拍子」とも言い換えられます。
実際、8分の6拍子のなかでも、テンポの速い曲は2拍子として指揮を振るのです。
まとめ
・4分の3拍子は、「ずんちっちー」で1小節。
・8分の6拍子は、「3つの音符で1拍」が2つまとまって1小節。
・4分の3拍子は3拍子系のリズムだが、8分の6拍子は2拍子系のリズム。
以上のようになります!
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