タイトルでほとんど全て言ってしまってますが、16ビートのノリを出すのに重要なのはハイハットじゃないよ!というお話。
16ビートってのはドラムだけの用語じゃない!
「16ビート」でググると、「ドラム」が主語になってる文章を結構見かけるんですが、この言葉はドラムだけに関する用語ではありません。ましてや、ハイハットの叩き方を表す言葉でもありません!
16分を基調としたリズムそのもののことを指します。
で、その16ビートのノリを決定づけるのは何なのか、というのが今回のテーマ。
ハイハット(以下、HH)、バスドラム(以下、BD)、ベース(以下、Ba)に注目して見ていきます。
いくつか例を用意しましたので聴いてみてください(比較が分かりやすいように、ピアノは全パターンで同じフレーズです)。
パターン①HHだけが16分音符を刻んでいる場合
HH:16分
BD:4分
Ba:4分
ドラムは、よく教則本なんかで「16ビート・その1!」みたいな感じで書かれてるようなフレーズですね。HHが16分音符を刻んでいて、BDは4分音符で踏まれています。
そして、Baも4分音符を基調としたフレーズを打ち込みました。
どうでしょう?あまり16ビートを感じないのではないですか?
実は、HHが16分音符を刻んでいても、BDやBaが4分や8分を基調としたフレーズだと16ビートらしくはならないのです。
パターン②BDが16分を基調としたビートになった場合
HH:8分
BD:16分
Ba:4分
では、このフレーズだとどうでしょう?
HHは8分音符を刻んでいますが、BDが16分音符を基調としたビートに変わっています。
Baはパターン①と同じフレーズです。
さっきよりも、16分音符を感じられるようになりましたね。
HHよりもBDの方が16ビートのノリを出す役割としては大切だと分かります。
パターン③Baが16分を基調としたフレーズに変わった場合
HH:8分
BD:4分
Ba:16分
では、このフレーズ。
BDは4分音符に戻しました。
Baだけが16分音符を弾いています。
どうですか?パターン②よりも更に16ビートっぽくなりましたね!
実は、16ビートを感じさせるにはBaが非常にキモなのです。その重要度はHHとは比になりません。
パターン④BDもBaも16分を基調とした場合
HH:4分
BD:16分
Ba:16分
最後にこのフレーズ。
ドラムはBDが16分音符を基調としたビート。
Baは16分メインのフレーズです。
より16ビートっぽさが増しましたね。
結論
「ハイハットが8分音符ならその曲は8ビート」、「ハイハットが16分音符ならその曲は16ビート」と思っている人もいるかもしれませんが、それは大きな誤解で、
実際には、ハイハットよりも遥かにバスドラとベースが大事なのです。
そして、バスドラとベースを比較すると、
ベース > バスドラ
で、ベースの方がより16ビートのノリを出すのに重要です。
さきほどのパターン④は最も16ビートらしいフレーズでしたが、Baだけが16分を弾いていたパターン③でも、十分に16ビートのノリが出ていたことからも分かります。
参考曲
宇多田ヒカル『traveling』
基本的にHHは8分の裏にしか入っていませんが、Baが16分のノリを出していますね。
(まぁシェイカーとかは16分で入ってますが)
スピッツ『ロビンソン』
Aメロが分かりやすいです。見事に「HHは8分、BDも8分、Baだけが16分」で、16ビートを形成してます。
Bメロ以降でBDが16分を踏み始めても、HHはほとんど16分が出てきてませんね。
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