どうもA.TARUI(@ototekublog)です。
緊急事態宣言が延長されましたが、いかがお過ごしでしょうか。
僕は相変わらずほぼ家から出ておりません。
今回は、そんなご時世のミュージシャン・ナレーターにとってタイムリーな、宅録のお話です。
宅録できる人が重宝されます
宅録環境の整ったミュージシャン・ナレーターが求められています。
もともと需要がありましたが、緊急事態宣言発出中の今、ますます重宝されるようになっています。
実際にいま僕が関わっている仕事でも、従来であればスタジオでギター録音するところでしたが、宅録可能なギタリストに依頼する流れになっています。
宅録に必要なもの
最低限必要なものは、DAW環境とマイクとです。
DAW環境
要は、パソコンで録音できるようにするということですね。
最低限、
・パソコン
・オーディオインターフェイス
が必要です。
これからオーディオインターフェイスを購入するという方、初めからそこまで高価なものを選ぶ必要はありません。
あえて言うなら、DAWソフトが付属しているものがお得です。
日本でシェア1位*1のDAWソフトCubaseのエントリーモデルが付属します。
税込み1万円ちょっとという安さも魅力です。
前者に比べると少々値は張りますが、録り音はなかなかのレベルです。
こちらはAbleton Liveの簡易版が付属します。
ほかにもオーディオインターフェイスは数多くありますが、音を聞いたことがないものを無責任に勧めるわけにもいきませんので、上記2つだけの紹介に留めておきます。
オーディオインターフェイス購入時の注意点
1点だけ注意点があります。
オーディオインターフェイスを購入する際には、マイクプリアンプ付属のものを選んでください。
付属でないものだとマイクを直接接続できません。
とは言え、安価なオーディオインターフェイスはほとんどマイクプリアンプが付属していますのでまず大丈夫ですが。(もちろん上記の2機種にも付属しています)
念のため確認してから選びましょう。
マイクは"近め"で!
声や楽器の音を録るためのマイクももちろん必要です。
その際、マイクは近めに設置することをオススメします!
理由は部屋鳴り。
マイクの距離が遠いと、声や楽器の直接音だけでなく、壁などに反射した音も拾ってしまいやすいのです。
レコーディングスタジオは壁の材質から形まで計算されており、部屋鳴りを調整しています。
しかし、一般の住宅ではそうはいきません。
嫌な部屋鳴りを拾うとこんな感じの音になります。↓
これは音声をカメラのマイクで拾っているので余計に距離が遠いですね。
部屋鳴りがかなり多いです。ダルビッシュさんすみません。
さすがに歌やナレーション、楽器の音がこれだとまずいですよね。
手前味噌になりますが、こちらの動画の喋りはマイクを口から10cm以内に近付けて録っています。↓
余計な音が無いのを分かっていただけるかと思います。
この動画の喋りに使用したマイクは、SHUREのBETA87Aという機種です。
こちらは指向性がかなり狭いマイクです。
指向性が狭いと言うのは、簡単に言うとマイクの向いている方向の音だけを拾ってくれるということです。
ハンドマイクではありますが、手に直接持つとゴソゴソとノイズが乗りますので、できればマイクスタンドを使用するのが良いでしょう。
吹かれ(息がかかった時のボフボフというノイズ)は入りにくいですが、ポップガードがあると、より確実です。
指向性が狭いデメリットとして、顔の向きがずれると声を拾いづらくなります。
大きく動かないように注意しましょう。
商品紹介文には「温かみのあるボーカル」とありますが、音質はクリア系です。
ナレーションには最適ですが、歌目的でもう少し優しめの音が欲しいなら、SM58の方が良いかもしれません。
ラージダイアフラムマイクを使うなら
ダイアフラムとは、簡単に言うと音をキャッチする部分です。
ここが大きいマイク、つまりラージダイアフラムマイクは(たとえ近めに設置したとしても)部屋鳴りの影響を受けやすいのがデメリットです。
スタジオで普段見かけるこういうのもラージダイアフラムマイクです。↓
正直なところ、感度が良いのはラージダイアフラムの方ですので、特にボーカル・ナレーション等での繊細な表現力ではこちらに分があります。
どうしてもラージダイアフラムマイクを使うなら、
こういった吸音材を使うことで部屋鳴りを大きく低減できます。
ただし、これはあくまで"吸音"であって、"遮音"はできないので注意してください。
おわりに
と、ここまで宅録について書いてきましたが、コロナが落ち着いたらぜひレコーディングスタジオも使ってください。
前述のように、レコーディングスタジオは不要な部屋鳴りを起こさないよう、壁の材質から形まで計算されています。
マイクから音源の距離による音の違いを利用した表現というものもあり、それは宅録では再現が難しい部分です。
ま、僕がレコーディングエンジニアだから、皆んなが皆んな宅録されちゃうと困るというのもあるんですけどね笑
ただ、緊急事態宣言発出中の今だけでなく、今後も新しい生活様式とやらで、テレワークが推奨されていくでしょう。
宅録に対応できるミュージシャン、ナレーターの需要が高まっていくのも確かです。
自宅に録音環境が全くないという方は、このタイミングに導入されてはいかがでしょうか。