おとてく

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作曲家/レコーディングエンジニアが書く、DTM、作曲、レコーディングメディア。

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聴く映画館 Touch that Sound! in KOBEに行ってきました!

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『聴く映画館 Touch that Sound! in KOBE』というイベントに行ってきました!(公式サイト)

 

これは、ソニーが独自に開発した波面合成技術による新しい空間音響技術=Sonic Surf VR(SSVR)が体験できる催しです。

 

今年3月にすでに東京で行われており、それが今回神戸にもやってきたというわけです。

 

中野雅之(BOOM BOOM SATELLITES)、Cornelius、evala、Hello, Wendy! + zAk、清水靖晃の5組のアーティストがSSVRを活かして制作した作品を聴いてきました。

波面合成技術?

まず波面合成技術とはなんぞや?の説明をパンフレットから引用します。

 

例えば、人と人が向かい合って話をした場合、声の音場は球面状の音の波(=波面)として口の周りに広がる。この波面を人間は両耳で受け取り、そこに人が居る(音源が存在する)ということを知覚する。これをスピーカーで再現しようというのが波面合成技術だ。

というもの。

 

従来とは全く異なる、立体的な音響空間を実現する画期的なシステムです。

 

『聴く映画館』では、1ユニットに8chのスピーカーを内蔵した専用アクティブ・スピーカーが16台設置されており、SSVRを用いた音響空間が生み出されていました。

 

そこに音が"在る"

さて、実際に体験してまず驚いたのが、従来の音響設備との聴こえ方の違い

通常の2chステレオ再生とも、5.1ch等のサラウンドシステムとも全く違いました。

 

スピーカーから聴こえるのではなく、そこに音が在るという感覚なんです。

 

 

ええと、まず僕、ここに座ってたんですね。

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僕が座った座席(赤く塗った部分)

 

普通なら前方のスピーカーから音が聴こえるじゃないですか。

 

 

でも、感覚的には・・・

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感覚的には、あたかもそこに音源が在るかのように思えた

こんな感じ。

 

伝わります?

 

横方向や前の座席から聴こえるんです。

いや、聴こえるというより実際にその場所に音が"在る"感覚

 

SSVR公式ページの言葉を借りると、「空間上に音を自由に配置することが出来る」そうです。

 

ギターが自分の体をすり抜けた!?

Corneliusの「あなたがいるなら」のSSVR mixで、ギターの音が入ってるんですが、

それが左から迫ってきて、体をすり抜けて行ったんです。 

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ギターの音が体をすり抜けていく感覚

イメージとしてはこんな感覚。

 

"音が動く"というのは従来のサラウンドシステムでもありますが、それとは全く異なる体験でした。

 

これは没入感がありますよ。

今回はギターの音でしたが、人の声だったりしたら耳元で喋りかけられているような感覚になるのではないでしょうか。

 

座席を移動して聴いたら・・・

この公演は60分のものなのですが、中身は30分の同じコンテンツが2回上映されるというもの。

 

というのも、聴く場所によって音の感じ方が異なるので、2回目には座席を移動して体験してもらおうという意図なんですね。

 

で、2回目の上映で僕はやや後方左寄りに移動したんですが・・・

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さっきまで座っていた座席をギターの音が通って行った

 

前述のギターの音が今度は前で聴こえるんです。

「あ、今あのオジサンの身体をすり抜けてるな!」てのが分かりました笑

 

これ、音像に絶対位置が存在するってことですよね。

通常の2ch再生だと、中央からずれたポイントで聴くとLRのバランスはズレてしまいますが、SSVRではそれが起こっていないんです。 

 

どこで聴いてもドラムが正面

さらにさらに不思議体験。

1回目はやや右の座席で聴いていたんですが、BOOM BOOM SATELLITESの曲で、ドラムが正面から聴こえてたんですよ。

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右寄りに座っていた時、ドラムは正面から聴こえた

 

最初は「なんでこんなにドラムの定位が右なんだろう?」と思ってたんですが、

2回目の上映で座席を移動すると・・・ 

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座席を移動しても、やはりドラムは正面から聴こえた

 

やっぱりドラムは正面!

これ、空間をゾーンに区切る技術だそうです。

 

この技術を利用すれば、左は日本語、中央は英語、右は中国語といったように、

それぞれのゾーンで異なる言語を鳴らすということも可能とのこと。 

 

未来の音楽の聴き方はどうなるんだろう

こういう全く新しい体験をして、未来の音楽の聴き方がどうなるのか、すごく楽しみになりましたね。

 

たとえば、バンドがスタジオで演奏している定位を再現して、その音像の中を自由に歩き回れたりとか。

そういう全く新しい音楽の聴き方・聴かせ方が、そう遠くない未来に待っていそうです。

 

Sonic Surf VR|ソニーPCL株式会社

 

 

 

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