おとてく

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作曲家/レコーディングエンジニア。フリーランスでギリギリ生きていけてる33歳が書くメディア。

レコーディングにおける「リアンプ」とは?逆DI、リアンプボックスって何?

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ライン録りのギターの音を本物のギターアンプから出力し、それをマイクで集音するのが「リアンプ」です。
ギターやベース以外の音(シンセや歌)をアンプから出力することも可能です。  
 
まず、生音をDAWにライン録りして、
その後、オーディオインターフェイスから出力した音をギターアンプに入力
そして、ギターアンプから出ている音にマイクを向けて録音。 
という流れでリアンプを行うことができます。
 
アンプシミュレーターでは再現の難しい空気感や距離感を簡単に出すことが可能です。

リアンプに必要なもの

では、リアンプをするために必要なものを紹介します。

リアンプボックス

まずはリアンプボックス

 

リアンプボックスとはなんぞや・・・の前に、知っておいてほしいポイントが一つ。

 

それが、

ギターから出ている音とオーディオインターフェイスから出ている音は違うという点。

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具体的にいうと、

ギターから出ている音はハイインピーダンスの信号ですが、

インターフェイスから出ている音はローインピーダンスの信号だということです。

 

そして、ギターアンプはハイインピーダンスの信号を入れるようにできています

 

そのため、インターフェイスの出力から直接アンプに繋いでも、ギターを直接繋いだときとは全く別物の音になってしまうのです。*1

 

※インピーダンスとギターのライン録りについてはこちらの過去記事をご覧ください。 

そこで必要になるのがリアンプボックス。 

 

リアンプボックスは、ローインピーダンスの信号をハイインピーダンスに戻してくれます。

つまり“逆DI”とも言える存在なのです。

 

一度DAWに録ったラインの音を、ギターから直接出た音に戻してくれる機材と言い換えてもいいでしょう。

 

主なリアンプボックス

RADIAL PRO RMP

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1万円強と手頃な価格ですが、問題なくリアンプできます。

クリーンから歪みまで生々しいギター本来の音が出ます。

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RADIAL X-AMP

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少しお値段は張りますが、その分クオリティーの高さは折り紙付きです。

今まさにギターを弾いているかのようなナチュラルな音で出力してくれる強力なリアンプボックスです。

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4chアウト以上のオーディオインターフェイス

もう一つ必要なのが、4chアウト以上のオーディオインターフェイス*2

小型のインターフェイスの多くはLとRの2ch出力です。

ここからスピーカーやヘッドフォンに繋いでDAWの音を聴いているわけですが、これだと、すでにギターの音を出力するための余分なアウトプット端子が残っていません。

 

4chアウト以上のインターフェイスであれば、

①3ch以降のアウトプット端子からライン録りのギターの音を出力。
②アンプにマイクを立てて録音。
③録音しているトラックは通常どおりメインのLR出力(1-2ch)でモニター。

ということが可能です。

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ライン録りのギターをアウト3chから出力しアンプに接続。それをマイクで録音している。
主な4chアウト以上のオーディオインターフェイス

・・・というものをいくつかリストアップしようかと思ったのですが、挙げるとキリがないくらい数が多いので、やめました

 

サウンドハウスが安いので、ご参考にどうぞ。

オーディオインターフェイス一覧 | サウンドハウス

 

ポイントとしては、アナログのアウトが4ch以上あるかどうかです。

アナログのライン出力が2つで残りは全てデジタルアウト、みたいな製品もまれにありますので、ご注意ください。 

 

また、ライン出力はRCA(ピン)ではなく、TRS(フォン)かXLR(キャノン)になっているものがおすすめです。

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左からRCA、TRS、XLR

リアンプボックスの入力端子はふつうTRSかXLRですので、RCA出力だと変換を嚙まさないといけません。

それ以外の機器に接続するときにも、TRSかXLRの方が何かと便利です。

 

 

接続方法 

もうほとんど説明してしまったようなものですが、接続方法をご紹介しましょう。

 

①インターフェイスの3ch以降のアウトプットから、リアンプボックスのインプットに接続します。
②リアンプボックスのアウトプットからギターアンプのインプットに接続します。

以上!

簡単ですね。

 

また、リアンプボックスから出ている音はギターから直接出ている音と同じですから、

通常通りエフェクターを挿むことも可能です。

 

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リアンプのメリット

納得いくまで音作りができる

「まだ音作り終わってないけど、こんなに時間かけてたら弾く時間が短くなっちゃうし、妥協しとこ!」みたいなことはありません。

自宅でゆっくりOKテイクを録音し、その後スタジオでリアンプすれば、納得いくまで音作りを行えます。

 

また、アンプの音作りだけでなく、マイクやマイクプリのチョイスもじっくり行えます。

 

夜でもギターが録音できる

住宅事情などで夜はアンプを鳴らせない!という場合も、

ライン録りしておいた音を昼間リアンプすればOKです。

 

ギターアンプを持っていなくてもいい

自分ではギターアンプを持っていなくても、リハーサルスタジオにある色んなメーカーのアンプを鳴らすことが可能です。

最近ではギターアンプの品揃えを売りにしているようなリハスタも増えてきましたので、そういった所もうまく活用していきたいですね。

 

4chアウト以上のインターフェイスがなくてもリアンプできる?

正攻法ではないですが、2chアウトのインターフェイスでもリアンプは可能です。

①ライン録りのギターのトラックを左に振り切る。

これで、この音は1chからしか出なくなります。

②アウト1chから出力し、リアンプボックス→ギターアンプと接続。
③マイクを立てて録音。
[重要]①のトラック以外は全てミュートor右に振り切る。

録音中のトラックが1chからも出力されているとフィードバックを起こしてしまうためです。

 

という方法で、リアンプ可能です。

ただ、この方法だと録音中のトラックの音をリアルタイムで確認できませんし、

間違ってフィードバックを起こしてしまう危険性もあるのであまりオススメはしません。

あくまで裏ワザみたいなものだと思っておいてください。

 

 

 

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*1:「ロー出しハイ受け」にはなっているので、理屈上はOKです。もちろん音も鳴ります。

しかし、インターフェイスの出力はローインピーダンス過ぎるため、ハイインピーダンスでの入力を想定したギターアンプから出る音は全く別物になってしまうわけです。

*2:厳密にいうと「3chアウト以上」で良いのですが、3chアウトのインターフェイスというものが(おそらく)存在しないので、「4chアウト以上」とさせていただきました。