FOCUSRITE ( フォーカスライト )のUSB Type-C対応オーディオインターフェイスClarett 2Pre USBを購入しました!
ちなみに「Clarett 2Pre」というサンダーボルト接続のものもありますが、
こちらは「Clarett 2Pre USB」です。
買ったばかりですが、さっそく仕事で使ってみたので、レビューしていきます!
そもそもオーディオインターフェイスとはなんぞや、という話ですが、
cuLoさんのブログcuLo MOD Studio!のこちらの記事(↓)で簡潔にまとめられていますので、是非ご一読を。
購入に至った経緯
サイズの小さな4アウト以上のものが欲しかった!
ある仕事で予算も時間もあまりなく、リハスタに機材を持ち込んで歌を録る必要があったのですが、
僕の所持しているインターフェイスは・・・
・RMEのMultifaceというアナログ8入力×8出力(マイクプリ無)のもの
→歌だけ録るのにそんなに入出力要らない&PCIカード接続で持ち運びに不向き。
・PreSonusの1818VSLというアナログ8入力×8出力(マイクプリ有)のもの
→やっぱり歌だけ録るのにそんなに入出力要らない&重い。
・AvidのMbox Miniというアナログ2入力×2出力(マイクプリ有)のもの
→軽くて小さいけど出力2chは少ない。
モニターミックスを作りたいので、やっぱり4アウト以上あるものが欲しい。
とまぁ、帯に短しタスキに長し!なやつばっかり!
USB Type-C対応が欲しかった!
それと、今使っているサブPCが2016年モデルのMacBook Proで、USBポートが全てType-Cなんです。
コレ。↓
なので、どうせならType-C接続のものを買おうと。
以上の条件を満たしたのはClarett 2Pre USBだけでした!
主な仕様
対応OS
Mac OSは、10.11 El Capitan、10.12 Sierra、10.13 High Sierra、10.14 Mojave。
Windowsは、Windows 7(64bit)、Windows 8.1、Windows 10です。
(2018年12月現在)
最新の対応状況はFocusriteの公式ページに対応OSチェッカーがあり、確認できます。
サポートされているサンプリングレート
44.1kHz、48kHz、88.2kHz、96kHz、176.4kHz、192kHzをサポートしています。
なんと192kHzまで対応です。
最近は低価格帯のインターフェイスでも192kHz対応が多いですね。
隔世の感があります。
外観
サイズ感をSM57と比較してみたらこんな感じ。
かなりコンパクトですね!
Mbox Miniより少しだけ大きいくらいです。
実際のサイズを測ってみたら高さ50mm×幅210mm×奥行き142mmでした。
重量もかなり軽いです!
入出力
入力はアナログ2入力・デジタル(ADAT)8入力の合計10入力。
出力はアナログ4出力です。
アナログ2入力部にはもちろんマイクプリアンプが付いていて、ファンタム電源は個別にON/OFFできます。
デフォルトではヘッドフォンアウトは3-4chになっていますので、注意しましょう。
(Focusriteに限らず、ヘッドフォンアウトが最後の2chに割り当てられているインターフェイスは多いです)
Focusrite Control


DAWソフトとClarett 2Pre USBだけでもレコーディングは可能です。
しかし、内部ルーティングを行うソフトウェア「Focusrite Control」を使用することで、自分好みのセッティングを作ることが可能です。
例えば、ヘッドフォンにだけマイク入力をダイレクトモニタリングしたり、デフォルトで3-4chとなっているヘッドフォンアウトを1−2chにしたりetc...
モニターミックスを作る上でも、自由にルーティングをカスタムできるのは便利です。
後述するAIRモードのオン/オフもここから行います。
マイクプリ部の音質は?
実際に録音したので聴いてみましょう
実際に録音してみました。
サンプリングレートは48kHzです。
毎回弾き直していては同一条件と言えないので、ギターをライン録りしてJCM800にリアンプし、それをSM57とU87aiで収音しました。
SM57はキャビネットから3cmほど、U87aiは20cmほど離しています。
比較対象として、スタジオ定番のマイクプリであるMP1Aでも収音しました。
MP1Aと比べると少し薄っぺらい感じはしますが、インターフェイス付属のマイクプリとしては優秀な部類に入るのではないでしょうか。
また、ノイズは極めて少なかったです。
ゲインを大きく上げても「サーッ」というノイズはごくわずかでした。
AIRモード
ちなみにAIRモードというのは、Focusriteの代名詞的存在のISAマイクプリアンプの音をモデリングするというモードです。
具体的には周波数特性と入力インピーダンスを再現しているらしいですが、正直ISAシリーズと同じ音かというと微妙なところです。
「高域が持ち上がって音がデカくなっただけちゃうんかい!」とちょっと思ってしまいました笑
ただ、明瞭で歯切れのいい音にはなっているので、別のマイクプリを使わずに録るのであれば使ってみてもいいんじゃないでしょうか。
付属ソフトウェア(無償で貰えるもの)
Clarett 2Pre USBに限ったことではなく、Focusriteのインターフェイスを購入するとDAWソフトやプラグインが大量に貰えます!
基本的に全て、それぞれのメーカーのアカウントを作成する必要がありますが、それにしても結構な太っ腹じゃないでしょうか。
Ableton Live 9 Lite
DAWソフト「Live 9」のライト版です。
トラック数が8つまで等の制限はあるものの、録音・編集・ミックス・打ち込みといった一通りのことはできます。
Addictive Keys
「Addictive Drums」でお馴染みXLN Audioのピアノ音源です。
Studio Grand、Modern Upright、Mark One、Electric Grandの中から音色をひとつだけ選ぶことができます。
ひとつだけといっても音色のコントロールはフレキシブルに可能で、プリセットもたくさん用意されています。
Softube Time and Tone bundle




Softubeのリバーブ、ディレイ、コンプレッサー、サチュレーションノブの4つのプラグインが付いてきます。
サチュレーションノブは元々フリープラグインですが、それ以外の3つは単品で9,000円します!
特にコンプレッサーの「DRAWMER S73」は、DRAWMERらしいざらついた雰囲気の音でかなり良いです!
※なお、Softubeのプラグインに関しては別途iLokアカウントが必要でした。
Focusrite Red Plugin-Suite


Focusriteの実機「Red 2イコライザー」と「Red 3コンプレッサー」をプラグインで再現したものです。
これ、単体購入だと299ドルもするそうです。
じゃあもうインターフェイス買ったほうがええやん。
SIGMUND
d16 groupのディレイプラグイン「SIGMUND」です。
ひとつのプラグインのなかに独立した4つのディレイを搭載している変わり種。
まだあんまり触れてないんですが、単なるディレイとしてだけではなく、モジュレーションエフェクト的に使うのに合う印象でした。
こういう、興味あるけど買うほどじゃないかな〜(失礼!)ってやつが無償で付いてくるのはいいですね!
これも単体購入だと10,000円近くするプラグインです。
このほかにも、d16 groupで使える50%オフクーポンも貰えます。
サンプル素材
生ドラム/パーカッション素材「Focusrite Drum Pack」と、2GB超のあらゆるジャンルを網羅した「Focusrite 2GB Loopmasters Content」もついてきます。
残念だった点
ちょっと残念だった点があるのですが、ラインアウトの音が少し軽いですね。
最初は気のせいかなとも思いましたが、スタジオに持ち込んでAvidのHD I/Oと比較してみたところ、やはり低域が弱い印象です。
なので、これでミックスをすると慣れないうちは低域を強めにしてしまうかもしれません。
分離感はいいので、惜しいな〜という感想。
ただ、良く言えばクリア・悪く言えば軽いという程度ですから、出張レコーディングのみで使うつもりの僕としては全く問題無しです。
まとめ
総じていうと、買い!のオーディオインターフェイスです。
まず、USB Type-C対応のインターフェイスはまだまだ少ないので、その点だけでも大きなアドバンテージですね。
そして、軽くてコンパクト!持ち運ぶ前提の僕からするとこれはポイント高し!
さらに、無償で貰えるソフトウェアが超豪華!
これだけで単純に計算して数万円分の価値があるので、ソフトだけ買うならインターフェイスを買っちゃった方がお得な訳です。
ラインアウトの音が個人的にはちょっとマイナスポイントですが、それを補って余りあるほどメリットが多いので、非常にいい買い物でした!
早速仕事で使って、すでに歌録り、ギター録りと大活躍してくれてますよ!
FOCUSRITE ( フォーカスライト ) / Clarett 2Pre USB
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