Computer Music Japanのゆにばすさんのツイートで知ったこちらの記事。
この中の、
「生徒の中に、生まれてから1枚もCDを買ったことがなく、1曲たりともダウンロードをしたことがないという人がいました。つまり人生で1回も、お金を払って音楽ソフトを買ったことがないのです。私が『じゃあ音楽を何で聴いてきたの?』と尋ねると、
『YouTubeです』と堂々と答えました」
その発言に、「これまで人生で音楽に1円も使ったことがない人間が、どうして音楽で食べていけると思うのか!」と、怒りを爆発させてしまったK氏。
という部分がちょっとした話題になっておりました。
僕の意見としては、「音楽に1円も使ったことがない」は時代と価値観が変わったから仕方ない面があると思ってます。
そもそも現代は、正当な手段として音楽が無料で聴ける方法がいくらでもありますからね。
YouTubeだってレーベルやアーティストが公式チャンネルを持っています。
なので、無料で音楽を聴いていたこと自体を怒るのは違うかと。
ただし!
YouTubeには違法動画がたくさんあります。
その生徒が、違法にアップされたもので音楽鑑賞をしているとしたらソレはまた別問題!
倫理的にNGだからという面もありますが、
それ以上に、違法動画には音質が非常に悪いものが多いからです。
YouTubeっぽい音質を再現してみました
「YouTubeにも音質悪くない動画あるでしょ?」
はい、その通りです。
もちろん、YouTubeで再生されている音声は圧縮音源ですで、CD等のオリジナル音源と比べると音質は劣ります。
でも、聴くに耐えないレベルの音質なんてことはありません。
公式チャンネルとかならだいたい問題ないです。
あくまで”だいたい”。公式チャンネルでもたまにひどい音質のものも・・・笑
僕の言ってる音質が悪いってのはこういうのです。
再現してみました。
音質が悪いやつ
ハイハットとかタンバリンとか高域の音が歪んでるし、奥行きがなくなってガチガチした窮屈な音でしょ?
YouTubeだけでなく、ネット上の違法アップロードと思われる動画にはこういう音が多いです。(たまに公式でも微妙な音質の動画がありますが・・・)
え?あんまり音質が悪いと思わない?
じゃあ、これのオリジナル音源を聴いてみてください。*1
どうですか?
聴き比べれば明確に違いがわかったはずです。
※ノートPCやスマホのスピーカーだと分からないかもしれないので、そういう人はイヤフォンを繋いでもう一度聴いてみてくださいね。
しかし!
上のやつ程度ならマシなほう!
なかにはもっと音が悪いのもあります。
もっと音質が悪いやつ
こっちは流石にノートPCやスマホのスピーカーでもハッキリ分かるレベルですね。
これでもかというぐらいレンジが狭いですし、高域がシュワシュワとした音になってしまっています。
実際いくつかYouTubeを確認してみましたけど、こういう音の動画多いですよ!
左右で逆相になってるやつもある!
さらにさらに。
もっとヒドいのがこういうやつ。
聴いてて気持ち悪いでしょ?
スピーカーの前から逃げ出したくなりませんか?
これは、左チャンネルの音に対して、右チャンネルの位相の極性が真逆になってるんです。
※位相については過去にケーブルのバランスとアンバランスってどう違うの?でちょっとだけ触れてます。
ちょっと怖いのが、こういう音の動画でも「音が変」とか「気持ち悪い」とかいうコメントは滅多に書かれてないんですよね・・・。
え・・・みんなこれ大丈夫なん・・・?
スマホのスピーカーとかなら左右の距離が近すぎてあんまり分からないのかもしれませんが・・・。
あ、ちなみにコレはおそらく著作権侵害の動画に対する削除対策です。
つまりアップロードしている人は自分が違法行為をしていると分かっているわけですよね。
いい音も聴きましょう
ということで、YouTubeの音質には慣れないでほしいなというお話でした。
誰がどんな音質で聴こうがまぁ自由なんで、大きなお世話と言われてしまいそうですが。
でも、ミュージシャンになりたい、クリエイターになりたい、エンジニアになりたいetc...やっぱり音楽を志すならいい音で聴きましょう。
別にハイレゾじゃなくてもいいので、せめてCDの音質(44.1kHz、16bit)に慣れておくべきです。
YouTubeばっかり槍玉にあげてる感じですが、YouTubeというより違法アップロードされた音楽について言ってますからね。
っていうかYouTube大好きなんで。YouTuberとかめっちゃ観てますからね笑
冒頭の記事から言葉を借りて、
「音質の悪いものしか聴いたことがない人間が、どうして音楽で食べていけると思うのか!」
とか言ったら言い過ぎでしょうか。
この記事を書いた人のTwitterはこちら。
*1:と言いつつ、サウンドクラウドにアップした時点で若干音質は変わっています。
それでも違いを聴くには十分です。