セパレート型のアンプ*1の裏側って見たことありますか?
アンプヘッドとスピーカーの間がケーブルで繋がっていますね。
あのケーブルがスピーカーケーブルです。
アレって、ギターやベースにつなぐいわゆる普通のシールドと見た目が変わらないやつもありますよね?
そういう楽器用のシールドケーブルとスピーカーケーブルは何が違うのでしょうか?
出力レベル
楽器用のケーブルとスピーカーケーブルの違いを説明するために、まずは出力レベルについてお話ししておきましょう。
マイクレベル
楽器からプリアンプまでの出力レベルです。
出力レベルは非常に小さく、ここに使うのはおなじみの楽器用シールドケーブルです。
マイクレベル 出力が小さい
ラインレベル
プリアンプからパワーアンプまでの出力レベルです。
多くのアンプヘッドはプリアンプとパワーアンプが一体になっていますので、ギタリスト・ベーシストの皆さんにはイメージしづらい部分かもしれませんね。
ですが、ミキサーの内部を通っている信号だったり、インターフェイスに入力する信号だったりと、多くの部分はこのラインレベルになっています。
ここに使うケーブルもおなじみのシールドケーブルです。
ラインレベル 出力が中くらい
アンプレベル
パワーアンプからスピーカーまでの出力レベルです。スピーカーレベルとも言います。
ここに使うケーブルがスピーカーケーブルです。
スピーカーケーブルは大きな出力に対応できるように導線が太くなっています。
つまり、楽器用ケーブルとスピーカーケーブルの違いは出力レベルの違いなんですね。
パワーアンプからの出力はかなり大きいので、楽器用のケーブルを使うとキャパオーバーなのです。
自動車が歩道を走るようなものだと思ってください。
間違えて楽器用ケーブルを使ってしまうと、コネクタの故障や、最悪の場合発火にも繋がりますので、絶対にやめましょう!
アンプレベル 出力が巨大! → スピーカーケーブルを使う
コネクタの形状
コネクタにはいくつか種類があるのでご紹介しておきましょう。
2P
CANARE ( カナレ ) / SC20-F15-SB Black
見た目がややこしいのがコレ。
普通のシールドと何が違うの?って感じですよね?
だけど、この写真はスピーカーケーブルなんです。
コネクタの形状は全く同じ。ケーブル部分だけが違うので、見分けるのは困難です。
アンプの出力側、スピーカーの入力側の両方とも2Pフォンで接続するようになっているものが多くあるので、楽器用のケーブルと間違えないように気をつけましょう。
参考画像(アンプの出力端子):
参考画像(スピーカーの入力端子):
スピコン
ガチッと接続でき、誤って抜けてしまう心配が少ないのが特徴です。
楽器用アンプだと特にベースアンプの接続によく使われてますね。
バナナ
CLASSIC PRO ( クラシックプロ ) / SBB07
先端の形状がバナナのように見えることから、このように呼ばれています。
接続部の穴に差し込むだけなので抜き差しが簡単なのが特徴です。
Yラグ
OYAIDE ( オヤイデ ) / ACROSS 3000 Y/1.5
先端がY字になっているタイプで、挟み込むようにして接続します。
小型のカラオケシステムとか、家庭用の機材でよく見られます。
先バラ
ケーブル内部の芯線をよじって接続部に挟み込むだけのシンプルなものです。
要はコネクタ無しの裸状態ですね。
こちらも家庭用でよく使われています。
楽器用の2Pフォンと見分ける方法はあるの?
見分ける方法は・・・正直、ないです。
というより見た目で判断するのは危険です。
まぁ型番を検索すれば分かりますが、ライブハウスやリハスタであれば素直にスタッフさんに確認しましょう。
自分でケーブルを用意するのであれば、スピーカーケーブルだけ色や見た目の違うものを使用するというのもひとつの対策法です。
たとえばこういうケーブルを使うのもアリですね。(もちろん音の好みにもよりますが・・・)
BELDEN ( ベルデン ) / BELDEN #9497 2SS
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*1:アンプヘッドとスピーカー(キャビネット)が分かれているタイプ。スタック型ともいいます。