DTMをこれから始める人、あるいは「家にあったPCでDTMやってみたけど重くて動かないよ〜」という人。
新しくパソコンを購入するにあたって、どんなものを選べばいいのでしょうか?
WindowsとMacはどっちがいいの?
これに関しては、どっちでもいいです。
たしかにひと昔前であれば音楽制作にはMacというイメージがありましたが、現在ではほとんどのDAWがWin/Macの両方に対応していますし、操作性の差もありません。
ただし、一部のDAWは片方のみの対応となっています(後述)ので、使いたいDAWに応じて選びましょう。
WinとMacの差があるとすれば
・Mac対応のフリープラグインは少ない
ネット上に公開されているフリー(無償)プラグインは8割方Windowsのみの対応になっています。
フリープラグインを積極的に使いたいのであればWindows有利ということになるでしょう。
・Winは余計なソフトがプリインストールされている製品が多い
家電量販店で購入できるようなメーカー製パソコンには、色々なソフトがはじめからインストールされてしまっています。
DTMをやるのであれば、なるべく余計なソフトは無いのが理想です。
なので、Windowsを選ぶのなら、DTM用にカスタマイズされたPC (リンク先:Rock oN)をチョイスするのもオススメできます。
・MacはOSのアップグレードが早い
WindowsがWindows 10をリリースした時点で、Macはなんと6代前の10.10 Yosemiteです。
最新のDAWが必ずしも最新のOSに対応しているとは限らないので、とくに更新ペースの早いMacの場合にはOSのバージョンの確認は大切です。
片方のOSにしか対応していないDAW
・Logic
LogicはMacのみに対応しています。
・ ABILITY
ABILITYはWindowsのみに対応しています。
・Pro Tools
Pro Toolsは両方のOSに対応しているものの、動作保証はほぼMacのみで、Windowsはhpの一部商品のみの動作保証になっています。(たいてい問題なく動きますけどね)
主要DAWの推奨スペック
各DAWの推奨するPCのスペックについては公式HPに記載がありますので、そのリンクをまとめました。
Cubase
STEINBERG ( スタインバーグ ) / Cubase Pro 11
Pro Tools
AVID ( アビッド ) / Pro Tools 永続ライセンス版
Studio One
PRESONUS ( プレソナス ) / Studio One 5 Professional日本語版
Logic
Live
ABLETON ( エイブルトン ) / Live 11 Suite
FL Studio
IMAGE-LINE ( イメージライン ) / FL STUDIO 20 Signature
ABILITY
INTERNET ( インターネット ) / ABILITY 3.0 Pro 通常版
Digital Performer
MOTU ( モツ ) / Digital Performer 11 通常版
スペック用語解説
各DAWのリンクを掲載しましたが、パソコンの用語を知らない人にはちんぷんかんぷんな部分もあったかと思います。
ここでは、パソコン選びに特に大事な用語をピックアップして紹介しておきます。
DTM用パソコン選びにさして必要のない内容は極力省きましたが、それでもややこしいと思う人もいると思います。
そういう方は文字サイズが大きくなっているところだけでも読んでみてください。
OS
「Windows」や「Mac」というのがOS(オペレーティングシステム)です。
Windowsであれば最新はWindows 10、今年秋には11がリリース予定です。
Macであれば最新はBig Sur、こちらも秋にはMontereyがリリース予定です。
古いバージョンはDAWソフトに対応していませんし、新しすぎても対応が追いついていないことがありますので、OSのバージョンの確認は大切です。
OSのビット数
OSには32bit版と64bit版があり、簡単にいうと64bit OSの方が高性能です。
現在のDAWソフトはほぼ64bit OSのみ対応になっています。
CPU
プロセッサーという表記になっていることもあります。
簡単にいうとパソコンの脳みそ。
AMD社のものもありますが、ほとんどがIntel社の製品です。
Intel社のCPUブランドと言えばCore i9、Core i7、Core i5、Core i3などがあり、簡単に言うと、i9がもっとも性能が高く、i3が低くなります。
また、MacにおいてはM1というApple独自のCPUを搭載しているモデルもあります。
DAWソフトによってはM1をサポートしていないものもありますので、注意が必要です。
DAWの必要条件に「ARMベースのCPU」等の文言があった場合はM1を指していると思って差し支えないです。
デュアルコアとかクアッドコアって?
物理的には1つのCPUですが、内部で役割分担をしていると思ってください。
コアが2個ある状態をデュアルコアといい、4個の場合はクアッドコアと言います。
こういったCPUがマルチコアプロセッサーです。
また、マルチプロセッサーというのは物理的にCPUが2つ以上あるものを言います。名前が似ててややこしいですね。
さらに、マルチスレッドというのは、1つのコアが通常1つの処理を行うところを2つ行う機能のことです。またまたややこしいですね。
クロック周波数って?
CPUの処理速度の数値で、単位はHz(ヘルツ)です。
一概には言えないんですが、この数字が大きければ大きいほど処理が早い=高性能だと思ってください。
DAWソフトの必要スペックとしてコア数やクロック周波数を指定されることはあまりありません。
ブランド名の方を気にしましょう。
CPUはCore i5以上を推奨しているDAWが多い印象です。
RAM
メモリという表記になっていることもあります。
一時的にデータを記憶しておく領域で、単位はB(バイト)です。
CPUが脳みそなら、RAMは作業机。
いくら高性能な脳みそ=CPUでも、作業机のサイズが小さいとたくさんの仕事はできません。
そのため、DAWソフトには「最低でも何GB(ギガバイト)以上のRAMを積んでおいてくださいね」という条件があるんですね。
エフェクターやシンセはRAMを食いますので、極力たくさん積んでおいたほうがいいです。
必要最低ラインとして4GBあたりを提示しているDAWソフトが多いですが、メモリ4GBというのはネットのみの使用でも若干イライラする程度のスペックです。
RAMは、DAWソフトが提示する最低ラインより余裕を持っておきたいですね。
ディスク空き容量
ドライブやストレージという表記になっていることもあります。
HDD(ハードディスクドライブ)やSSD(ソリッドステートドライブ)といった保存領域のことです。
RAMが作業机ならこちらは収納スペース。本棚や引き出しのイメージでしょうか。
DAWソフトはそれなりに大容量ですので、インストールするのに必要な空き容量が明示されているんです。
将来的にプラグインやサンプルパックを買い足すことを想定するならば、ディスク空き容量にも余裕が欲しいところです。
おわりに
パソコンは決して安い買い物ではありません。
もちろん、安く抑えようと思えば抑えられますが、DTMにはそれなりのスペックのパソコンが必要になります。
安物買いの銭失いにならないように、しっかり吟味して選びましょう。
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