おとてく

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作曲家/レコーディングエンジニア。フリーランスでギリギリ生きていけてる33歳が書くメディア。

コードが分かると作曲が出来る!「コードを楽器へ割り振ろう!」編

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さて、前々回の「作曲に使うコードを知ろう!」編では、ダイアトニックコードを紹介しました。

そして、前回の「作曲にはコードの順番が大事!」編では、コードの役割とコード進行について書かせてもらいました。

 

今回はその続きになります。

前回、前々回の記事をお読みでない方は先にそちらをどうぞ! 

 

コードを構成する音

前々回、基本的な三和音は「1個目、3個目、5個目の音を鳴らすと出来上がる」と書きましたね。

 

この、1個目、3個目、5個目の音のことを、それぞれ、

ルート3度5度と呼びます。

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ルート

1個目の音ですね。

日本語では「根音」です。その名のとおり、コードの根っこを支える音です。

コードがCならルート音は、コードがDmならルート音はです。

 

勘のいい方ならもうお分かりだと思いますが、

コードネームには、そのルート音が入っていますね。

ルートが、コードの中の最も基本の音だということです。

 

3度

3個目の音ですね。

コードがCなら3度の音は、コードがDmなら3度の音はファです。

 

さて、思い出してみましょう。

Cの場合、

ルートの「ド」から数えて半音4つ分右に「ミ」があり、

メジャーコードになりました。

Dmの場合、

ルートの「レ」から数えて半音3つ分右に「ファ」があり、

マイナーコードになりました。

つまり3度でメジャー/マイナーが決まるんですね。

 

メジャーコードになる3度の音は長3度

マイナーコードになる3度の音は短3度といいます。

3度なのかなのかで、明るい響きなのか暗い響きなのかが決まります

 

5度

5個目の音です。

コードがCなら5度の音は、コードがDmなら5度の音はです。 

メジャーコードもマイナーコードも、5度までの距離は同じでしたね。

明るい/暗い といった響きには影響を与えないので、安定感のある音です。

これを完全5度といいます。

 

ただし、Bdimだけは5度が半音低くて例外なんでしたね。

これは減5度と呼ばれ、非常に不安定な響きを生みます。

 

7度

ついでに四和音についても書いておきましょう。

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7度、つまり7個目の音です。

コードがCM7なら7度の音は、コードがDm7なら7度の音はです。

CM7の場合、ルートの「ド」から数えて半音1つ分左に「シ」があり、

Dm7なら、ルートの「レ」から数えて半音2つ分左に「ド」があります。

これらが、メジャーセブンスとセブンスでしたね。

日本語では長7度短7度といいます。

 

7度の音を加えると響きに少しスパイスが加わった感じがします。

 

コードを各楽器へ割り振ろう!

コードは曲全体で鳴らす 

楽器には、

ギターやピアノなど、和音を鳴らせる楽器(=和音楽器)と、

トランペットやサックスなど、単音しか鳴らせない楽器があります。

 

しかし、コードは、和音楽器だけで奏でているのではなく、

楽曲全体で複数の楽器が集まって鳴らしているのです。

 

たとえば、こんなコード進行があったとしましょう。

 →  →  → 

王道進行のあとにツーファイブ、そして Ⅰ に戻るという進行ですね。

これを各楽器でどのように割り振るかを見ていきます。

 

ベースはルート担当

まず、ベースはルート音を担当します。

ルートはコードの根っこですから、最も下にないと気持ち悪いんです。

 

実際に聴いてみましょう。

Cメジャーキーで演奏しています。

FM7G → Em → AmDm7 → G7C

です。 ※最初のFとツーファイブのところを四和音にしてみましたが、もちろん三和音でもOKです。

譜面にすると、

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こんな感じです。

下の段がベースの譜面ですが、

ファ →  →   →

と、すべてルート音を弾いていますね。

 

もし、ベースがルート音を弾かなかったらこんな感じです。 

すべて3度を弾いています。

なんか変な感じですね。

最も下にある音がルート以外だと浮ついた響きになってしまうんです。 

 

ピアノの弾き語りなんかでも、左手はベースを担当していて、ルート音を弾いています。

ギターのコードの押さえ方も、最も低い音がルート音になるように出来ています。

 

ベースパートは動いても*1いいんですが、それでも1音目にはルートを弾くのが普通です。

 

和音楽器はコードを弾く

ベースがルートを担当しました。

そして、和音楽器はもちろんコードを弾くわけですが、ここで「ボイシング」に着目してみたいと思います。

 

「ボイシング」とは、コードを構成する音の並びのことです。

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たとえばCというコードはドミソですが、上の譜面のように

ドミソミソドソドミという3パターンの並び方が考えられます。

ベースがルート音を弾いていてくれさえすれば、コード構成音の順番は決まっていないということです。

 

このように、コードの並びを変えることを「転回する」といいます。

 

先ほどの例でも、1つめのFM7というコードはファラドミですが、僕はピアノをドミファラ転回形で弾いています。

 

これは、トップノートが上下に動きすぎると落ち着かないからです。

「トップノート」とは、最も上にある音のことです。

上の譜面の例だと、ラ → ソ → ソ → ラ → ラ → シ → ド と、トップノートがあまり大きな動きをしていないのが分かります。

 

もし、これを転回せずに全部通常の並びで弾くと、

こんな感じです。

どこかガチャガチャと落ち着かない印象ですね。

 

譜面を見ると、

f:id:oto_tech:20170925163441j:plainトップノートが大きく上下しているのが分かります。

これがガチャガチャする原因です。 

こうならないように、ボイシングを工夫してトップノートをなるべく近いところにするわけです。

単純に、ピアノを弾く場合の手の動きも小さくて済みます。

 

四和音のボイシングには注意が必要

四和音を転回する時には少しだけ注意してください。

どこに注意するかと言うと、トップノート と 上から2つ目の音 です。

これらが半音 or 全音でぶつかると、緊張感のある響きになってしまうのです。

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この譜例でいうと、転回形その1ですね。

半音でぶつかっている音が目立つので緊張感が生まれてしまうのです。

僕が曲を作る際はこれはなるべく避けています。

あえて緊張感のある響きにしたいときは使いますが。

 

ただ、これは人によっては「半音(全音)がどこでぶつかってても気にならないよ!」という人もいますし、

逆に、「上だけじゃなくて、下でぶつかってても気になるよ!」という人もいます。(転回形その3のパターンですね)

 

まぁ、あまり気にしすぎずに、「響きがイヤだなと思ったら避ける」くらいの気持ちでいるのがいいでしょう。

 

単音楽器もコードを弾く

単音楽器(という言い方があるのかどうかは知りませんが)、つまりさきほど例に挙げたトランペットやサックスのような管楽器は単音しか鳴らせません。

 

また、バイオリン、ビオラ、チェロ、コントラバスといったストリングスも、和音を鳴らすことは出来ますが、主に単音を弾く楽器です。

 

こういった単音楽器も、2本以上の楽器が合わさってコードを鳴らします

例えばドミソでいえば、チェロがド、ビオラがミ、バイオリンがソ といった具合です。

※ストリングスのボイシングにはまたセオリーがあるので、それは別の機会に。

 

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構成音を省略してもいい

和音楽器はコードを弾きますが、必ずしも、構成音をぜんぶ鳴らさなくてもいいんです。

ルートを省略

まず、ルートはベースが弾いているので省略可能です。

実際、ピアノからいくつかルート音を抜いてみましたので聴いてみましょう。

こんな感じで、所々ルートを抜いてみたんですが、

f:id:oto_tech:20170925154456p:plainさっきの「1_ベースはルートを弾く」とそんなに雰囲気が変わっていないと思いませんか?

ベースと同じ音なので当然と言えば当然ですね。

もちろん、ベースもルートを弾いていない、なんてのはNGですよ!

 

5度を省略 

次に、5度ですが、前述のように、明るい/暗い といった響きには影響を与えないので省略可能です。

ただ、5度は安定感のある音なので、ここを省くと軽い印象にもなります。

スッキリさせたいなら省略する、ドッシリさせたいなら省略しないのがいいでしょう。

 

3度を省略

3度はそのコードがメジャーなのかマイナーなのかを決定づける音ですから、基本的には省略しないようにしましょう。

 

ただ、この3度を抜いたコードは、パワーコードと呼ばれ、ロックのギターではよく使われています

 

やっぱり順番が大事

「3度を省略したら明るいか暗いか分からないんじゃないの?」という疑問はわいてくると思います。 

確かにその通りです。

しかし、前回の記事で書いたように、コードは順番が大事なのです。

 

試しに、

C → G → Am → EmF → C → G

Am → F  → G → Em → Dm  → G → C

というコード進行を、3度を抜いて弾いてみましょう。

これ、ギターはずっと3度を省略しています。

ベースもルート弾きですので、全く3度が無い状態です。

ですが、出だしは明るく、中盤は暗くなって、最後はまた明るく という風に聞こえませんか?

 

コード1つだけを弾いた場合は、3度を抜くと明るくも暗くも聞こえません。

ですが、このようにコード進行に沿って弾くと、ちゃんとコードの機能が聞こえてくるのです。

 

コードの順番が大事というのが改めて実感できたのではないでしょうか。 

 

 

今回はここまで!

次回からは、「ダイアトニック以外のコードを使ってみよう!」編をお送りします!

 

 

 

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*1:ルート以外の音を加えて弾くことを「動く」と言います。