前回、コードが分かると作曲が出来る!「作曲に使うコードを知ろう!」編で、「ダイアトニックコード」を紹介しました。
今回は、これをどのように使えば作曲できるのか、という話をしていきます。
前回の記事をお読みでない方は、先にそちらをどうぞ!
このシリーズの記事一覧
② 「作曲にはコードの順番が大事!」編 ←今回
④-1モーダルインターチェンジ
④-2セカンダリードミナント
④-3リレイテッドⅡm7
④-4パッシングディミニッシュ
④-5分数コード
④-6sus4
④-7aug
④-86thコード
作曲にはコードの順番(=コード進行)が大事!
コードは、ただ闇雲に並べただけでは曲っぽくなりません。
それだと曲が前に進んで行く感じがしないんですね。
コードの順番(=コード進行)が大事なんです。
コードを、それぞれの役割に従って進行させることで、曲らしくなっていきます。
コードには役割がある
トニック
C、(Em)、Am
上記のコードはトニックと呼ばれ、落ち着くサウンドになります。
安定感のあるコードなので、コード進行のうち最初や最後に持ってきやすいです。
とくにCとAmはその機能が強くなります。
ざっくり言うと、Cで始まれば(終われば)明るい曲に、Amで始まれば(終われば)暗い曲になります。あくまでざっくりですが。
ドミナント
G、(Bdim)
上記のコードはドミナントと呼ばれ、落ち着かないサウンドになります。
ふわふわしたコードなので、安定感のあるトニックに進みたがる性質を持っています。
コード進行の最初や最後には持ってきづらいコードで、Gが代表格です。
サブドミナント
(Dm)、F
上記のコードはサブドミナントと呼ばれ、どちらともつかないサウンドです。
あやふやなコードなので、コード進行のどこにでも持っていけるコードです。
最初に持ってくれば、その後の進行次第で明るくも暗くもできます。
最後に持ってくれば、余韻を残した終わり方になります。
Fが代表ですが、Dmもよく使われます。
基本的な並べ方
①トニック→ドミナント→トニック
②トニック→サブドミナント→トニック
③トニック→サブドミナント→ドミナント→トニック
④トニック→ドミナント→サブドミナント→トニック
上記が、もっとも基本的な4つの進行です。
あくまで「基本的」というだけで他にもパターンは考えられますが。
ちなみに④は、
昔は「ドミナント→サブドミナントにしたら気持ち悪くね?」なんて言われて敬遠されてましたが、
現代では「いやそんなことなくね?」と普通に使われています。
さて、実際のコードをあてはめて一例を挙げてみると・・・
① C → G → C
② C → F → C
③ Am → Dm → G → C
④ C → G → F → C
となります。
ほかにも色々なパターンが考えられます。
もちろん、四和音を使ってもいいですよ。
この例を実際のサウンドで聴いてみましょう。
ダイアトニックコードをローマ数字で表す
は?いきなりローマ数字???
と思われるかもしれませんが、これ、コード進行を表記する上でめちゃくちゃ便利なんです。
ローマ数字ならいろんなキーに対応できる
ここまでずっと、Cメジャーキー、つまり「ドレミファソラシ(ド)」から成るキーを前提に話を進めてきました。
ですが、キーはDメジャーキー、Eメジャーキー、Fメジャーキー・・・と、他にもたくさんあるわけです。
たとえば、上記のトニック→ドミナント→トニック
のパターンも、
Cメジャーキーの場合はC → G → Cですが、
Dメジャーキーの場合はD → A → D
Eメジャーキーの場合はE → B → E
となるんですね。
で、こんな風にいちいち「○○キーの場合は〜〜」なんて言うのはまどろっこしい!ということで、よく使われているのがローマ数字表記なんです。
ローマ数字に置き換えてみると
このようになります。
ⅠからⅦまでに置き換えただけですね。
これが例えばDメジャーキーならD、Em、F♯m、G、A、Bm、C♯dimとなり、
Eメジャーキーなら、E、F♯m、G♯m、A、B、C♯m、D♯dimとなりますが、
それが全部、Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ、Ⅴ、Ⅵ、Ⅶと書くだけで済んでしまうわけです。
ところで余談ですが、ローマ数字の書き方ってドラクエとFFで覚えませんでした?
定番コード進行
ツーファイブ
Ⅱ → Ⅴ
めちゃくちゃそのまんまな名前ですが、2番目と5番目のコードを並べた進行です。
Cメジャーキーなら、
Dm → Gです。
ドミナントはコード進行の最後には持ってきづらいと書きましたね。
実際、Ⅴ(ドミナント)がトニックに進みたがるので、とくにⅡ → Ⅴ → Ⅰ という繋がり方が多く見られます。
たとえばサビの頭が Ⅰ で、その直前が Ⅱ → Ⅴ といった使い方ですね。
カノン進行
Ⅰ → Ⅴ → Ⅵ → Ⅲ → Ⅳ → Ⅰ → Ⅳ → Ⅴ
パッヘルベルの「カノン」で用いられている進行で、J-POPでもよく見られます。
Cメジャーキーなら、
C → G → Am → Em → F → C → F → Gです。
やはりドミナントはトニックに進みたがるので、最後に Ⅰ に戻るとキレイです。
【参考楽曲】GLAY『SOUL LOVE』
実は、純粋なカノン進行のポップスは少なめで、どこかが若干ちがってたりします。
『SOUL LOVE』の場合は、
Ⅰ → Ⅴ → Ⅵ → V → Ⅳ → Ⅰ → Ⅱ → Ⅴ
※太字で斜体になっているところがカノン進行と異なる部分です。
となります。ツーファイブに置き換えているわけですね。
この曲のキー(Bメジャー)に合わせると、
B → F♯ → G♯m → F♯ → E → B → C♯m → F♯
となります。
王道進行
Ⅳ → Ⅴ → Ⅲ → Ⅵ
「王道進行」という名称は昔はなかった気がしますが、最近ネット上ではよく使われているようです。
とはいえ、コード進行自体は昔からの大定番。とくに日本人は大好きな進行と言われています。
Cメジャーキーなら(Aマイナーキーと言ってもいいかもしれません*1 )、
F → G → Em → Amです。
この進行の曲は山ほどあります。
【参考楽曲】Every Little Thing『fragile』
この曲のキー(Fメジャー/Dマイナー)に合わせると、
B♭ → C → Am → Dm
となります。
小室進行
Ⅵ → Ⅳ → Ⅴ → Ⅰ
小室哲哉氏が多用したコード進行。
といっても、小室氏の曲、そんなにこの進行ばっかりってこともないです。
Cメジャーキーなら(これもAマイナーキーと言ってもいいかもしれません)、
Am → F → G → Cです。
この進行の曲もたくさんあります。
【参考楽曲】スピッツ『楓』
同じコード進行を繰り返しています。
この曲のキー(A♭メジャー/Fマイナー)に合わせると、
Fm → D♭ → E♭ → A♭
となります。
今回はここまで!
次回は、コードが分かると作曲が出来る!「コードを楽器へ割り振ろう!」編をお送りします!
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*1:Cメジャーキー(ドレミファソラシ)とAマイナーキー(ラシドレミファソ)は構成音が同じです。詳しくは、「曲のキー」って何?が分かる!音楽理論なんて知らないという人に向けて解説!を読んでください。