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作曲家/レコーディングエンジニアが書く、DTM、作曲、レコーディングメディア。

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コードが分かると作曲が出来る!「作曲に使うコードを知ろう!」編

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近頃、

“音楽の才能は遺伝が9割”、作曲はできない人には絶対できない”

なんて記事がちょっとした話題になっていました。

僕はこの記事には否定的なスタンスです。

確かに、センスみたいなものは遺伝するのかもしれません。

しかし、「作曲の仕方」さえ分かっていれば、作曲というのは誰しもができるものなんです。 

 

このシリーズの記事一覧

① 「作曲に使うコードを知ろう!」編 ←今回

②  「作曲にはコードの順番が大事!」編

③  「コードを楽器へ割り振ろう!」編

④-1モーダルインターチェンジ

④-2セカンダリードミナント 

④-3リレイテッドⅡm7

④-4パッシングディミニッシュ

④-5分数コード

④-6sus4

④-7aug

④-86thコード

曲を構成するものは?

音楽の三要素

一般的に、曲を構成しているのは、

音楽の三要素と呼ばれる「メロディ・リズム・コード」だと言われています。

 

このうち、「コード」というのが最も直感的に分かりづらいのではないでしょうか。

しかし、作曲には最も重要な要素だと僕は考えます。

 

コード

「コード」とは、高さの違う音(たとえば「ド」とか「ミ」とか)が同時に重なりあっている音のことです。

日本語では「和音」ですね。

 

今回は、この「コード」について書いていきます。

 

 

作曲に使うコードを知ろう!

以前、「曲のキー」って何?が分かる!音楽理論なんて知らないという人に向けて解説!でも書きましたが、基本的に1つのキーの中で使える音は7つです。

Cメジャーキーなら「ドレミファソラシ(ド)」ですね。

 

この意味が分からないという方は、先に、「曲のキー」って何?が分かる!音楽理論なんて知らないという人に向けて解説!を読んでくださいね!
 

コードも、この「ドレミファソラシ(ド)」の7つの音を組み合わせたものが使われます。

 

その組み合わせ方ですが、

三和音といって、高さの違う3つの音から成るコードが最も基本的です。

「ドミソ」というのは聞いたことがあるんじゃないでしょうか?

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」から1つ飛ばして「」。

」から1つ飛ばして「」。

これで「ドミソ」という三和音が出来上がります。

 

こんな風に、1つ飛ばしに、1個目、3個目、5個目の音を鳴らすと基本的な三和音が出来上がります

 

ではもうひとつ。

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」から1つ飛ばして「ファ」。

ファ」から1つ飛ばして「」。

これで「レファラ」という三和音が出来ました。

 

このように、

「ド」から始めた三和音(ドミソ)から「シ」から始めた三和音(シレファ)までの7つのコードが存在するわけです。

この、最も基本的な7つのコードたちをダイアトニックコードといいます。

 

ダイアトニックコード 

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ダイアトニックコード

そのダイアトニックコードを並べたのが、上の五線譜です。

「ドミソ」、「レファラ」、「ミソシ」・・・と、すべて1つ飛ばしに、1個目、3個目、5個目が重なって出来ているのが分かりますね。

 

音符の下に書いてあるのがコードネーム、つまりコードの名前です。

 

1つ目の「ドミソ」には「C」という名前がついています。

正確には「Cメジャー(コード)」ですが、メジャーコードは略すのが慣習になっていますので、「C」と読みましょう。

 

2つ目の「レファラ」には「Dm」という名前がついています。

これは「Dマイナー(コード)」と読みます。

 

メジャーコード?マイナーコード?

ここで早速疑問がわいてきたと思います。

なんで「ドミソ」は「Cメジャー」なのに、レファラは「Dマイナー」なの!?

 

これには、音と音の間の距離が関係しています。

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上の図を見てください。

「ドミソ」の場合

1個目の「ド」と3個目の「ミ」の間には、「ド♯」「レ」「レ♯」があります。

つまり、「ド」から数えて半音4つ分右に「ミ」があるわけです。

5個目の「ソ」までの距離も見てみましょう。

「ド」から数えて半音7つ分右に「ソ」がありますね。

 

この法則性で音が並べばメジャーコードになります。

 

「レファラ」の場合

1個目の「レ」と3個目の「ファ」の間には、「レ♯」と「ミ」しかありません。

「レ」から数えて半音3つ分右に「ファ」があるわけです。

5個目の「ラ」までの距離も見てみましょう。

「ド」から数えて半音7つ分右に「ラ」がありますね。

 

この法則性で音が並べばマイナーコードになります。

 

この音の距離の違いが響きの違いを生みます

とくに大事なのが、1個目から3個目の音までの距離です。 

5個目の音までの距離はどちらも同じ半音7個分でしたね。

 

試しに弾いてみてください。

「ドミ」だと明るい響きがしますが、

「レファ」だと暗い響きがしませんか?

 

この法則で、「C」から「Am」までのメジャー/マイナーが決定されていきます。

 

Bdimは例外

唯一、7つ目の「シレファ」は例外です。

「Bdimという名前で、「Bディミニッシュ(コード)」といいます。

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1個目の「シ」と3個目の「レ」の間は、半音3つ分で、これは他のマイナーコードと同じですね。

ちがうのは5個目の「ファ」までの距離です。

「シ」から数えて半音6つ分右に「ファ」がありますね。

 

つまり、他のコードに比べて5個目の音が半音低いということになります。

そのため、「Bdim」は、「Bm♭5(Bマイナーフラットファイブ)とも呼びます。

  

ダイアトニックコード・四和音

ついでといってはなんですが、 四和音も紹介しちゃいます。

 

」から1つ飛ばして「」。

」から1つ飛ばして「」。

さらに、「」から1つ飛ばして「

これで「ドミソシ」という三和音が出来上がります。

 

こんな風に、1つ飛ばしに、1個目、3個目、5個目、7個目の音を鳴らすと基本的な四和音が出来上がります。

三和音に7個目の音を足しただけですね。

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ダイアトニックコード(四和音) 

四和音バージョンのダイアトニックコードを並べたのが、上の五線譜です。 

こちらのコードネームも紹介していきましょう。

 

1つ目の「ドミソシ」には「CM7」という名前がついています。

これは「Cメジャーセブンス(コード)」です。

区切るところを間違えないでくださいね。

「C / メジャーセブンス」です

「Cメジャー / セブンス」ではありません!

三和音の「C」「M7」がくっついた形ですね。

 

2つ目の「レファラド」には「Dm7」という名前がついています。

これは「Dマイナーセブンス(コード)」と読みます。

これも区切るところを間違えないでください。

「Dマイナー / セブンス」です

「D / マイナーセブンス」ではありません!

三和音の「Dm」「7」がくっついた形ですね。

 

メジャーセブンス?セブンス?

またまた疑問がわいてきたかと思います。

なぜドミソシは「メジャーセブンス」なのに、レファラドは「セブンス」なんでしょう?

 

やっぱり、音と音の間の距離が関係してるんですね。

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下がって数えた方が早いので、左にいくつ分かを数えます。

たとえば「CM7」の場合、1個目の「ド」から数えて半音1つ分左に「シ」があるわけです。

そして「Dm7」なら、1個目の「レ」から数えて半音2つ分左に「ド」があるわけです。

 

この法則性で、ダイアトニックコードの中では、

 

「C」と「F」には

メジャーセブンスが付いて

「CM7」と「FM7」になります。

 

「Dm」、「Em」、「G」、「Am」、「Bdim」には

セブンスが付いて

「Dm7」、「Em7」、「G7」、「Am7」、「Bm7♭5」になります。

 

 

 

とりあえず今回はここまで!

次回は、「じゃあそのコードをどういう風に使えば曲が出来上がるの?」というところをやっていきます。
コードが分かると作曲が出来る!「作曲にはコードの順番が大事!」編でお会いしましょう!

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