「コードが分かると作曲が出来る!」シリーズ、
今回は「ダイアトニック以外のコードを使ってみよう」の2回目として、セカンダリードミナントというものを紹介します!
このシリーズの記事一覧
④-1モーダルインターチェンジ
④-2 セカンダリードミナント ←今回
④-3リレイテッドⅡm7
④-4パッシングディミニッシュ
④-5分数コード
④-6sus4
④-7aug
④-86thコード
セカンダリードミナント
ドミナントは落ち着かないサウンドなので、安定感のあるトニックに進みたがるという話は以前、コードが分かると作曲が出来る!「作曲にはコードの順番が大事!」編で書きました。
とくに、Ⅴ → Ⅰに進みたがる傾向が強いです。
Cメジャーキーに置き直すとG7 → CM7ですね。
そのドミナントには、2番手(=セカンダリー)となる存在があるよというのがセカンダリードミナントです。
それが、
これです。
Cメジャーキーで書くと、
こうなります。
つまり、CM7に進みたがるG7があるなら、
Dm7に進みたがるA7があるはずだし、
Em7に進みたがるB7があるはず・・・(以下略)という考え方ですね。
このなかで、F♯7だけはセカンダリードミナントとはみなさないという考え方もあるので、括弧書きにしておきました。
ただし、F♯7 → Bm7♭5という進行が使えないわけではありません。*1
このセカンダリードミナントのうち、よく使われる定番を2つ紹介します!
定番 Ⅲ7
まずはⅢ7。これはⅥに進みたがります。
つまり、E7 → Am7のパターンです。
次のAm7という暗いコードを想起させるため、E7の時点でせつなく感じます。
このE7はとくにJ-POPでは「泣き」などと言われ、多用されています。
せつない、泣かせる、郷愁 etc...といったテーマにはピッタリです。
ちなみに、E7の方がより強力ではあるものの、Eでも「泣き」感は充分に出せます。
【参考楽曲】ゆず『雨のち晴レルヤ』
Bメロに注目。
1:00あたりから聴いてみてください。
図の赤文字で書いたところが「泣き」のⅢ7コードです。
分かりやすく、Cメジャーキーに直して書いてみると、
こうなります。
同じパターンが用いられている曲
・チャットモンチー『ハナノユメ』
サビの、
「薄い紙で指を切って 赤いあかい血が滲む」の部分が泣きです。
・ゆず『いつか』
ゆずからもう1曲。
Bメロの、
「傷つきながらもがきながら」の部分が泣きです。
そして、サビの、
「いつか又どうしようもなくさびしくなった」も泣きです。
定番 Ⅰ7
もうひとつ定番。Ⅰ7。これはⅣに進みたがります。
つまり、C7 → FM7のパターンです。
次のコード進行がⅣから始まる時に、その直前にⅠ7が置かれるという使い方が多いですね。
【参考楽曲】井上苑子『大切な君へ』
1:38あたりから聴いてみましょう。
赤文字で書いたところがⅠ7コードです。
このあとで王道進行に続きます。つまりⅣに繋がる訳ですね。
ちなみにこの中に泣きのⅢ7コードもありますが、分かりますか?
Cメジャーキーで書いてみましょう。
こうなります。
泣きのコードは2小節目ですね。
同じパターンが用いられている曲
・坂本九『上を向いて歩こう』
「幸せは雲の上に」がⅣから始まるコード進行で、その前のコードがⅠ7です。
・コブクロ『蕾』
AメロからBメロへの繋ぎですね。
「理由なき愛の灯 柔らかな日だまりが」がⅠ7です。
このあとのBメロ(「日だまりが」以降)がⅣから始まるコード進行なんですね。*2
今回はここまで!
次回も「ダイアトニック以外のコードを使ってみよう!」編の続きとして、リレイテッドⅡm7を紹介します。
この記事を書いた人のTwitterはこちら。