「コードが分かると作曲が出来る!」シリーズの4回目。
今回は「ダイアトニック以外のコードを使ってみよう!」です。
ダイアトニック以外のコード(ノンダイアトニックコードとも言います)を使う場合はパターンがいくつかあるので、ややこしくならないように細分化させてもらいました。
なので今回は④-1として、モーダルインターチェンジというものを紹介します!
事前の知識として、同主調の概念を知っておいてほしいので、ご存知でない方は
平行調と同主調って何?をお読みください。
このシリーズの記事一覧
④-1 モーダルインターチェンジ ←今回
④-2セカンダリードミナント
④-3リレイテッドⅡm7
④-4パッシングディミニッシュ
④-5分数コード
④-6sus4
④-7aug
④-86thコード
モーダルインターチェンジ
モーダルインターチェンジとは、同主調から一時的にコードを借りてくることをいいます。
同主調は「Cメジャーキー⇔Cマイナーキー」の関係性ですね。
♯Ⅴ→♯Ⅵパターン
Cメジャーキーのコード進行の中で、同主調(Cマイナーキー)のダイアトニックの中からA♭とB♭を借りてくる手法です。
この2つのコードは、Cメジャーキーのダイアトニックコードでいえば、ⅤとⅥの半音上になるので、
便宜上、「♯Ⅴ→♯Ⅵパターン」と名付けておきます。
このパターンの例を挙げてみましょう。
【参考楽曲】Mr.Children『Everything(It's you)』
Bメロに注目。
1:25あたりから聴いてみてください。
図の赤文字で書いたところが、同主調から借りてきたコードです。
♯Ⅴ→♯Ⅵパターンになっています。
上は原曲のキー(Gメジャーキー)に合わせて書いた表なので、分かりやすくCメジャーキーに置き換えてみましょう。
こうなります。
同じパターンが用いられている曲
・Mr.Children『終わりなき旅』
ミスチルはモーダルインターチェンジ多いイメージです。
サビの、
「終わりなき旅」の部分が、♯Ⅴ→♯Ⅵパターンです。
・斉藤和義『歌うたいのバラッド』
サビ終わり、
「愛してる」の後、次の間奏に向かうまでの間のコードが♯Ⅴ→♯Ⅵパターンになっています。
・THE YELLOW MONKEY『BRILLIANT WORLD』
サビ終わりの、
「君と I WILL GO, BRILLIANTWORLD」の部分が♯Ⅴ→♯Ⅵパターンです。
サブドミナントマイナー
Cメジャーキーの同主調(Cマイナーキー)のダイアトニックの中から、Fmを借りてきます。
これは、モーダルインターチェンジの中でもサブドミナントマイナーと呼んで区別することが多いです。
Ⅳのコードをマイナーにしたものを使うと考えた方が分かりやすいかもしれません。
サブドミナントマイナーも例を挙げます。
【参考楽曲】ウルフルズ『それが答えだ!』
0:09あたりから聴いてみましょう。
赤文字で書いたところが、サブドミナントマイナーです。
原曲のキーはBメジャーキーなので、こちらも分かりやすくCメジャーキーに置き換えてみましょう。
こうなります。
同じパターンが用いられている曲
・Mr.Children『終わりなき旅』
♯Ⅴ→♯Ⅵパターンにも挙っていたこの曲にはサブドミナントマイナーも使われていました。
Bメロの、
「大きな声で 声をからして」の部分です。
・Marvine Gaye『What's Going On』
間奏の頭のコード、というか、間奏はしばらくサブドミナントマイナー一発です。
・ゆず『夏色』
サビ終わり、
「ゆっくりゆっくりくだってく」の部分がサブドミナントマイナーです。
その他のモーダルインターチェンジ
他のパターンとしては、♯Ⅴか♯Ⅵのどちらかだけを一時的に借りてくるというのもよく見られます。
たとえば、
・SIAM SHADE『Dreams』
Aメロの、
「語り尽くしたDreams」と「今は二人」の間のコードが♯Ⅴです。
・Superfly『愛をこめて花束を』
Aメロの、
「懐かしいこの景色と」の部分が♯Ⅵです。
今回はここまで!
次回も「ダイアトニック以外のコードを使ってみよう!」編の続きとして、セカンダリードミナントを紹介します。
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