「コードが分かると作曲が出来る!」シリーズ、
間が空きましたが、「ダイアトニック以外のコードを使ってみよう」の5回目!
今回は分数コードを紹介します!
このシリーズの記事一覧
④-1モーダルインターチェンジ
④-2セカンダリードミナント
④-3リレイテッドⅡm7
④-4パッシングディミニッシュ
④-5 分数コード ←今回
④-6sus4
④-7aug
④-86thコード
分数コード
分数コードとは、本来のルート音ではない音にルートを取らせるコードのことです。
たとえば、C/Eというコードであれば、
のようになります。
Cというコードの下にミが来るということですね。
表記は、C/EでもC/Eでも、C on Eでも構いません。
どれも読み方は「CオンE」です。
※「EぶんのC」という読み方もありますが一般的ではありません。
では、ここから分数コードを使ったよくあるコード進行を紹介します!
Ⅳ→Ⅴ/Ⅳパターン
王道進行(Ⅳ → Ⅴ → Ⅲ → Ⅵ)の最初の2つのコードを、
Ⅳ → Ⅴ/Ⅳ という風にルートだけⅣをキープします。
Cメジャーキーでいうと、
F → G/F ですね。
コードはFからGに進行しますが、ルート音だけはFのままキープさせます。
メロディーの動きが引き立つ効果がある定番の進行です。
【参考楽曲】スキマスイッチ『全力少年』
1:11あたりから聴いてみましょうか。
まず原曲キー(Dメジャーキー)のコード進行はこちら。
普通の王道進行であればG → Aといくところを、G → A/Gとルート音をキープしていますね。
Cメジャーキーに置き直してみると、
こうなります。
同じパターンが用いられている曲
・Mr.Children『HANABI』
サビの、
「決して捕まえることの出来ない」の部分でルートがⅣをキープしています。
・back number『ハッピーエンド』
サビの、
「青いまま枯れてゆくあなたを好きなままで消えてゆく」の部分でルートがⅣをキープしています。
ペダルポイント
コードが進行しても、ルート音だけずっと同じ音を取り続ける手法です。*1
最低音がキープされるので、淡々としたイメージになります。
また、ペダルポイントから別の進行に向かう時により曲の展開感が強くなります。
【参考楽曲】GAO『サヨナラ』
0:34あたりから 聴いてみましょうか。
まず原曲キー(E♭メジャーキー)のコード進行はこちら。
ルート音がずっとキープされているのが分かります。
Cメジャーキーに直してみてみましょう。
こうなります。
ベースを聴いていれば、ずっと同じ音なので分かりやすいのではないでしょうか?
同じパターンが用いられている曲
・きゃりーぱみゅぱみゅ『ファミリーパーティー』
イントロ、Aメロ、サビとふんだんにペダルポイントが用いられています。
・山下達郎『アトムの子』
曲中のほとんどがペダルポイントです。
『サヨナラ』も『ファミリーパーティー』もルートがⅠでキープされていますが、
この曲はⅤでキープされているのが特徴で、それが独特の浮遊感を生み出しています。
ルートの順次下降
ルート音を順々に下降させていくコード進行です。
たとえば、
C → G/B → Am → G → F → C/E → Dm →...のような進行です。
ルート音だけを見ると、
C → B → A → G → F → E → D →...と順に降りてますね。
また、カノン進行の最初の3つ
C → G → Am を
C → G/B → Am にする進行はバラードでは定番で、滑らかに流れるような雰囲気を生み出してくれます。
【参考楽曲】GLAY『HOWEVER』
サビで使われています。
1:21あたりから聴いてみましょう。
この曲はCメジャーキーですね。
ルートだけ見ると、C → B → A → G → Fと順に降りていってるのが分かります。
同じパターンが用いられている曲
・ONE OK ROCK『Whatever You Are』
サビの、
「Whatever you are, I always make you smile
Whatever you are, I'm always by your side」
の部分をCメジャーキーに直すと、C → G/B → Amという具合にルートが下降しています。
・光GENJI『勇気100%』
サビの、
「そうさ100%勇気 もうがんばるしかないさ この
世界中の元気 抱きしめながら」
の部分をCメジャーキーに直すと、C → G/B → Am → Em/G → F → C/E → Dmという具合にルートが下降しています。
今回はここまで!
次回はSus4(サスフォー)について!
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*1:さきほどのⅣ→Ⅴ/Ⅳパターンも同じルート音が連続していますが、2コード連続したくらいでは、あまりペダルポイントとは言いません。