「ダイアトニック以外のコードを使ってみよう」8回目!!
今回は6thコードです!
このシリーズの記事一覧
④-1モーダルインターチェンジ
④-2セカンダリードミナント
④-3リレイテッドⅡm7
④-4パッシングディミニッシュ
④-5分数コード
④-6sus4
④-7aug
④-8 6thコード ←今回
6thコード
「シックスコード」と読みます。*1
ルート、3度、5度、6度からできていて、たとえばC6というコードなら、
ド、ミ、ソ、ラになります。
ルート、3度、5度の3和音に6度の音がプラスされたものが6thコードということですね。
では、よくある6thコードの使い方を4つ紹介していきましょう!
クリシェを構成するコードとして使う
6thコードの登場頻度No.1は「クリシェ」でしょう!
「クリシェ」とは、コードの中のひとつの音が半音(または全音)ずつ動いていく進行の事です。
そのクリシェ進行にもたくさんありますが、中でもベタなのは、
Ⅰ → Ⅰaug → Ⅰ6 → Ⅰ7という進行。
Cメジャーキーでいうと、
C → Caug → C6 → C7になります。
参考楽曲を聴いた方が早いので、まずはこちらを!
【参考楽曲】鶴『夜を越えて』
0:11あたりから聴いてみましょう。
この曲は原曲キーがCメジャーキーなので分かりやすいですね。
C→Caug→C6→C7と動くなかで、
ソ → ソ♯ → ラ → シ♭と半音ずつ上がっていってる音が分かるでしょうか。
同じパターンが用いられている曲
・Mr.Children『and I love you』
Aメロ、
「一緒に行こう さぁ準備を ほら 早くしておいでよ はぐれずに」の部分です。
コード毎に色分けしてみました。
Ⅰ → Ⅰaug → Ⅰ6 → Ⅰ7です。
というかミスチルはこのパターンがたくさんありまして、
『蘇生』のDメロ、『Hallelujah』や『通り雨』のAメロなんかでも同じ進行が登場します。
Ⅴを6thコードにする
次に、
ここ最近のポップスで増えてきたように感じるのが、ⅤをⅤ6に置き換えるパターン。
CメジャーキーでいうとG6です。
コード構成音はソ、シ、レ、ミとなります。(ミが6度)
本来、Ⅴはドミナントコードとしてトニックに進みたがる性質を持っていますが、
Ⅴ6ではそれが弱まるのが特徴で、
“いかにもドミナント”というのを避けたい時にはⅤ6が効果抜群です。
また、Ⅴ6のとき、メロディーにも6度の音を取らせるというのもありがちです。
Cメジャーキーでいうとミ。
逆に言うと、メロディーがミを取っているときにG7を使うと、G7の中のファとぶつかってしまうということです。
【参考楽曲】サカナクション『アルクアラウンド』
原曲キー(Eマイナーキー=平行調:Gメジャーキー)のコード進行はこちら。
CM7、D6、Em、どのコードにもシが含まれているのが流れとしてキレイです。
シの音はDの6度ですね。
歌メロも、「僕は歩く」がシの音なので、D6が際立っています。
Aマイナーキー(=平行調:Cメジャーキー)に直してみてみましょう。
こうなります。
同じパターンが用いられている曲
・家入レオ『Silly』
サビ、
「Silly 何かを求め 確かめたくて 今日を生きてる」
の部分がⅤ6です。
これもメロディーが6度を歌っていますね。
・ClariS『コネクト』
出だし、
「交わした約束 わすれないよ 目を閉じ」
の部分がⅤ6です。
Ⅳを6thコードにする
こちらは逆に最近のポップスでは減ってきた気もしますが、
ⅣをⅣ6に置き換えるパターンです。
CメジャーキーでいうとF6。
コード構成音は、ファ、ラ、ド、レとなります。(レが6度)
構成音だけでいうとDm7と同じですね。*2
ただし、ルートがファになるため聴いた雰囲気は異なります。
最近のポップスではあまり見かけないですが、とても素敵な響きのコードです。
普通のFやFM7では物足りないというときに置き換えてみる気持ちで使ってみてはいかがでしょう。
【参考楽曲】メレンゲ『きらめく世界』
まずは原曲キー(Aメジャーキー)のコード進行を見てみましょう。
独特の涼しげな雰囲気が出ていますね。
Cメジャーキーに直してみます。
こうなります。
同じパターンが用いられている曲
・あんしんパパ『はじめてのチュウ』
Bメロ終わりの、
「やった やった やったよ Ohh」の部分がⅣ6です。
・坂本九『明日があるさ』
Aメロ、
「いつもの駅でいつも逢う」の部分がⅣ6です。
Ⅰを6thコードにする(ちょっと番外編?)
これも最近のポップスではあまり(というかほぼ?)使われていませんが、
最後に、ⅠをⅠ6に置き換えるパターンを紹介します。
CメジャーキーでいうとC6。
ド、ミ、ソ、ラとなります。(ラが6度)
さきほどのクリシェでも、流れの中でC6が登場しました。
が、ここでは単体で使う場合について。
ヘタに使うとダサくなっちゃいますが、すごく素朴でいい響きがするんです。
あと、ボサノバとかの穏やかな南国の雰囲気にもマッチしますよ!
【参考楽曲】The Beatles『She Loves You』
最後のワンコードのみです。
2:04あたりから聴いてみてください。
コード譜を書くまでもなく、最後のワンコードのみがⅠ6です。
コーラスに6度の音が大きく入ってるので際立ってます。
素朴な雰囲気ですね〜。
同じパターンが用いられている曲
・The BOOM『風になりたい』
Aメロの、
「大きな帆を立てて」の部分がⅠ6です。
サンバチックなムードを出すのに大貢献してます。
これが通常のⅠだとこの雰囲気にはなりませんからね。
・加山雄三『お嫁においで』
Aメロ、
「もしもこの舟で」の部分がⅠ6です。
これも夏っぽいムードを出すのに一役買ってますね。
今回はここまで!
ひとまず、「ダイアトニック以外のコードを使ってみよう」は一段落ついたかな!
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